【バスケ】サンロッカーズ渋谷・船生誠也、“激戦区”勝ち抜き優勝へ自信 広島での優勝経験「生きてくると思う」
10月3日に開幕するBリーグ2024-25シーズン。B1・サンロッカーズ渋谷(中地区)は4日にアウェイで長崎ヴェルカ(西地区)と開幕戦を戦う。 名将ルカ・パヴィチェヴィッチ氏をヘッドコーチに迎え、日本代表のジョシュ・ホーキンソンらをチームに加えた昨シーズンは、35勝25敗を記録。同地区ライバルのシーホース三河に1ゲーム差及ばずチャンピオンシップ(CS)進出は逃したものの、一昨季より勝ち星を7つ伸ばすなど充実のシーズンとなった。 パヴィチェヴィッチ体制2季目となる今季は、CS進出、そして優勝を目指すべくさらなる補強を敢行。昨季、仙台89ERSでブレイクした阿部諒や得点力のあるケビン・ジョーンズらを加え、層の厚いロスターが完成した。 そんなチームの中でも、成功のカギを握るのが船生誠也だ。昨季まで3シーズンを広島ドラゴンフライズで過ごし、昨季は初の優勝を経験。195㎝ながらポイントガードもできる器用さを武器に、主力としてチームを導いた。個人としては2連覇がかかるシーズン開幕を前に、新天地での挑戦に臨む船生に話を聞いた。
広島で初優勝「最後ディフェンスをやるチームが勝つ」
-新天地に移籍しての心境は 自分自身、移籍は多い方だと思うし、(ベンドラメ)礼生とか小島と同い年なんですけど、青学を3年目で辞めて(大学)4年目から一応NBLの最後の年にプロ契約しているので。10年(キャリアが)ある中で、5チーム目くらいなので、環境の変化だったり、チームの変化は割と経験しています。しかも一応全部B1なので、そういった面では、慣れているという言い方はあれなんですけど、そんな苦にしていなくて。 ただ、やっぱり移籍するたびに、そのチームのカルチャーだったり、指揮を執っているヘッドコーチの考え方という部分にやっぱり苦戦する部分が多くあります。1年目は特に、お互い人なのでバスケットの前に。フィーリングを合わせるとかという部分は時間がかかるかなとは思っています。ただ、渋谷に関しては、ラインナップとルカ(パヴィチェヴィッチHC)もずっとBリーグが始まった当初から見てきて、あまり変わってないバスケットです。「こういうことやっているんだろうな」「やるんだろうな」ということがわかっているんですけど、彼の強度とか考え方にアジャストするのに苦戦といいますか。もう30(歳)にもなるんですけど、こっぴどく指導されてという感じでこの2ヶ月ぐらいを過ごしています。 -広島では優勝も経験しましたが、3年間をどう振り返りますか まずは広島に行くときにはチームが大きく変わって、Bリーグの3年目に私が富山グラウジーズに移籍したときと(広島の状況が)少し似ていた部分がありました。(富山は)当時は結構すごいと言われていた外国籍を取って、日本人もそこそこ集めていて。1年目でドナルド・ベックHCの下でCSにも出場しました。(広島は)それにちょっと似ている部分を感じました。1年目はなかなかうまくいかなかったんですけど、(B1)1年目で8勝か7勝しかしなかった広島をステップアップさせることができた。2年目で初めてのCSに出場して、初めて第1シードから1勝するということも経験して。 「3年目は」という感じだったんですけど、(シーズン序盤は)なかなかうまいこといかなかった。本当に最後の最後にカイル(ミリングHC)がやってきたバスケットに立ち直ったというか。やっぱり彼は本当にディフェンスのヘッドコーチと自分でも言っていましたし、そういうふうな形で期待して入ったんですけど、なかなかタレントもそろっていて、オフェンシブに偏ってしまったりとかっていう、いろんな工夫もしなかった地域もあったんですけど、本当に回り回って、いろんなものが重なって。(ミリングHCが)ラストというのも、もちろん彼らも知っていたし、私も知っていたので。カイルが最後となったときに、勝てるよってすごく思って。ディフェンスやれば勝てるでしょ、このロスターでって。案の定、本当にディフェンシブなチームにガラッと変わった。(寺嶋)良が怪我してから本当にチーム変わった。 カイルも話していたんですけど、シーズン途中で3つのチームになって。良もチリ(河田チリジ)もいないでスタートして、2勝6敗の時期もあった。チリが加入してうまくいくような時期もあったけど、最終的には今のロスターでこういうチームになったということは、振り返ればやりたかったディフェンスのバスケットが、3年目にして出たのかなと思います。(チームで)やっていても、「すごいな」と感じるディフェンス。3年目で初めて感じたかもしれないですね。集大成と、(ミリングHCの)意地を見ましたね(笑)。 -特にCSの時期は神がかったような勢いがありました 僕は正直、CSは勝てるなという自信しかなかったですよ。どちらかというとレギュラーシーズン残り20試合の方がきつかったです。当時(勝率が)5割なかったので。残り20試合をどう考えても15勝くらいしないと、35勝に到達しない。21勝20敗くらいで良が怪我したので。残りの19試合を、(CSの)ボーダーで大体35勝しないと絶対無理です。数字的に考えたら。毎年そうで、35勝しなければいけないってことは、残り19試合で15勝。これをやっちゃったんです。土日負けなしで、最後の琉球戦以外負けてなくて、水曜日の試合を3つ落としただけ。最後のゲームもいつもはしていないことをして負けたので。一節一節、名古屋D戦連勝、群馬戦連勝、川崎戦連勝、島根戦連勝というのは、どちらかというとCS勝ちより難しかったんじゃないかってすごく思っています。 勝ち方とかデータとか見たときに、やっぱ失点を減らせていて、やっぱりCSって絶対に失点が減るので。名古屋Dは90点オーバーのアベレージがあって、Bリーグが始まってないぐらいの本当にオフェンシブなチームだったので、そこと当たるだろうって思っていました。彼らのオフェンスは(得点を)取る力はあるけど、CSの舞台では多分そこまで取れないだろうと思って、僕らがちゃんとやれば。案の定、やっぱり70点、75点を取らせないゲームにすれば勝てるということを証明したので。 それは長年BリーグのCSを見てきて、最後ディフェンスをやるチームが勝つな、CSはと。CSはすごく自信がありました。勝って、「いけるぞ」という自信がさらについていきましたね。