【宝塚記念追い切り】ジャスティンパレス鋭い反応で先着!京都外回り+相性抜群のルメールで頂点へ
[GⅠ宝塚記念=2023年6月25日(日曜)3歳上、阪神競馬場・芝内2200メートル] 春のGⅠシリーズの掉尾を飾るグランプリ・第65回宝塚記念(23日=京都芝外2200メートル)の最終追い切りが、19日朝に東西トレセンで行われた。ここでの巻き返しが注目されているのが、昨年の有馬記念で1番人気4着も、今回のファン投票では5位に甘んじたジャスティンパレス。同レースが京都開催となる今年は“買い材料”が揃っているようにも見受けられるが…。海外遠征帰りの状態も含め、最終調整の動きは要チェックだ。
理想的な総仕上げ!数字以上のスピード感
<栗東>初の海外遠征となった前走のドバイシーマクラシックは4着。スローな流れになり仕掛けがワンテンポ遅れた感があって結果は伴わなかったが、それでも課題の輸送をクリアしていい状態で臨めたように、5歳を迎え肉体的にも精神的にも一回り成長した姿を見せて今後への糧になったのは明らかだった。 最終追い切りは高倉(レースはルメール)が手綱を取ってウッドでソレイユヴィータ(古馬3勝クラス)との併せ馬。道中は2馬身追走してスタート。1週前追いはルメールを背に道中で折り合いを欠いて物足りない動きだったが、先週ビシッと追ったことでガスが抜けて終始リラックスした走りを見せた。 直線は内に入って馬体を並べ、ゴール前で軽く気合をつけられると鋭く反応してクビ差先着した。ラスト1ハロン11・3秒(6ハロン81・7秒)と数字以上のスピード感で大一番へ向けてキッチリと態勢を整えてきた。 「1週前は肉体的に負荷をかけるイメージでした。まだ(馬体に)余裕があるので今朝はラストで気合をつけました。メンコを外してやりすぎるリスクを避けるために着用しましたが、今朝は軽すぎず、強すぎずうまく収まっていました」と杉山晴調教師は理想的な調整ができたことに満足げな表情を浮かべた。 昨年の宝塚記念は3着に入ったが、最強馬イクイノックスの前に完敗ともいえる内容。ただ、勝負どころはイクイノックスよりも先に仕掛け、反応はひと息ながらも最後まで食らいついていたようにGⅠ馬の底力は見せた。エンジンのかかりの遅いタイプだけに阪神内回りよりも天皇賞・春を制した京都外回りコースに替わるのは歓迎だ。 「週末が雨予報で欲を言えば良馬場でやりたかったですね。稍重の天皇賞・春で結果は出しているけど、当時は2年半ぶりの開催で馬場状態も今とは違うと思う。ただ、Dコース替わりの先週でも芝は時計が速かったし、鞍上も考えて乗ってくれると思います」と杉山晴調教師は、5戦ぶりに同馬とコンビを組み、これまで4戦4勝と相性抜群のルメールにすべてを託す。 例年の阪神開催なら仕掛けるポイントを含めて難しいレースになるが、ルメールは「瞬発力がないので3~4角でペースアップしたほうがいい。だんだん加速できるので京都外回りはいい」と話すようにいいイメージを持ってレースへと臨む。 イクイノックス不在の古馬王道路線。昨年の天皇賞・春を制した実力馬が確固たる地位を築くためにもここは結果、そして中身も問われる一戦になりそうだ。
東スポ競馬編集部