【特集】「最期まで自分らしく生きたい…」新たな“看取り”の形でニーズ急拡大中の『ホスピス型住宅』 本人や家族が望む「最期の選択肢」に密着
2週間に1回は、主治医が定期的に往診に訪れます。 (看護師) 「刺入部からも浸出液が出る感じで。外して洗ったりはしていたんですけど」 医師は、毎日患者を診ている看護師から体調の変化を聞き、処置に当たります。
(訪問診療医・山口一行医師) 「これか…」 (看護師) 「お風呂の時とかも怖くて」 (山口医師) 「確かに。後ほど、ここを麻酔して、この腸ろう・チューブが抜けないように、やりましょう」
さまざまな医療をチームで提供しますが、往診で補えない処置は、患者がここから病院に通います。 (山口医師) 「頑張って、まだまだ通院しながらやっていきましょう」 (患者の男性) 「みんな心配してくれると、力強い励みになります。自分一人の病との戦いじゃないから」
(山口医師) 「『ホスピス型住宅』という施設に来たからと、『もう治療がない』『見捨てられた』と思う方もいらっしゃるんですけど、僕たち医師・施設・看護師が一緒に協力して、適切に医療を提供していくことを心がけています」
2023年10月。末期がん患者の山下光蔵さん(92)が、病院から搬送されてきました。 (光蔵さんの息子・博亮さん) 「やっと来たやん。良いやろ?ここ。全然心配することないで、何も。ここは、自分の家やから」
入居してから、10日ほど経ったある日。光蔵さんの体調が悪化し、家族が駆けつけました。 (博亮さん) 「昨日『あかん』と言われて、慌てて。『家族を呼んでくれ』と言われたけど、僕らが来たら元気になって」 (光蔵さんの娘・裕美さん) 「みんながいると安心するみたいで、意識が戻ってきますね」 家族の懸命な呼びかけが、光蔵さんの支えになったようです。
娘・裕美さんが、光蔵さんの足をマッサージします。 (娘・裕美さん) 「気持ち良い?」 (光蔵さん) 「……(いびき)」 (裕美さん) 「あら、寝てしまった(笑)」 (博亮さん) 「気持ち良いんやな」
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