風鎮め、おわら開幕 富山・八尾 台風影響なし、7万人来場
富山に秋の訪れを告げる「越中八尾おわら風の盆」は1日、富山市八尾町中心部で開幕した。昨年に続き前夜祭を行わないなど規模を縮小して開催した。台風10号の影響が懸念されていたが好天に恵まれ、哀調を帯びた唄と音色、編み笠(がさ)姿の踊り手の舞が全国から訪れた見物客を魅了した。 おわらが行われる1日はもともと台風到来の時季と重なる風の災厄日とされ、豊作と風の災害が起こらないことを願う行事として「風の盆」という呼び名が付けられたとされる。 おわらを継承する11町では夕方から町流しや輪踊りが始まった。町伝統の法被や浴衣に身を包み、編み笠をかぶった踊り手が通りに繰り出し、三味線と胡弓のつややかな音色と伸びやかな唄声に合わせて優雅に舞った。勇壮な男踊りとしっとりとした女踊りを披露した。日が暮れるとあちこちに設置されたぼんぼりに光がともり、幻想的な光が町全体を包み込んだ。 越中八尾観光会館に設けられた競演会ステージは2部制で、鏡町、上新町、下新町、東新町の4町が舞台上で舞った。昨年までは1町ずつの4部制だったが、今年から2町ずつの2部制にしてゆったりと鑑賞してもらえるようにした。 おわら風の盆行事運営委員会によると、初日の来場者は7万人で昨年の6万人から1万人増加した。例年は3日間で20万人前後が訪れる。今年は「持続可能な風の盆」を検証する年に位置付けた。