役所が教えてくれない「実は相続税が安くなる土地」の特徴6選【税理士が解説】
不動産評価について、国税側は道路1本ごとについている「路線価」に面積を乗じて算出するよう通達してはいますが、道路はすべて同一の条件を持っているわけではありません。「評価減となるポイント」があります。それを知らなければ、本来より多く納税する羽目になってしまいます。税理士法人レガシィ代表・天野隆氏の著書『相続は怖い』(SBクリエイティブ)より一部を抜粋し、役所が教えてくれない評価減ポイントを紹介します。
「評価減が適用される土地」はいろいろある
土地の形状は、正方形や長方形が最も利用しやすく、変形していると利用価値が下がります。そこで相続税の評価にあたっては、土地の形状によってさまざまな評価減が適用されています。
(1)高低差のある土地
道路より高い位置にある宅地または低い位置にある宅地で、その付近にある宅地に比べて著しく高低差がある場合、評価減の対象となります。 同じ路線価の同一の道路に接している宅地の中に他の宅地と比較して道路より著しく高い宅地であったとしましょう。 その宅地は建物の建築時に余分な建築コストがかかります。 このような形状の土地を、平たんな土地と評価額を同じにしてしまうと、不公平になってしまいます。 そこで高低差のある土地は平たんな土地に比べて利用価値が著しく低下するとして、10%の評価減が認められています。 ちなみにこの場合の「10%」のように適正な評価額を算出するための乗率を「補正率」といいます。
(2)がけ地
がけ地とは傾斜が急なため宅地の利用が難しい土地のことです。建築基準法施行条例では、30度以上の傾斜がある土地をがけ地としています。 山などの斜面を切り開いて宅地開発された土地では、平たんな建物敷地部分と、擁壁などのがけ地部分を併せ持っていることがよくあります。 平たんな部分を多くするため、がけ地部分は急斜面になっていることが多いのですが、当然のことながら、がけ地部分は用途が極端に限られてしまいます。 そこで相続した土地が路線価地域に存在する「がけ地等を有する宅地」の場合、路線価にがけ地補正率をかけて路線価の減額補正を行い、相続税評価額を算出します。