上川隆也、地道さは「ロケットランチャーで痛快にプレーするために」
テレビ朝日系の木曜ミステリー「遺留捜査」は、事件現場に残された被害者の遺留品に込められた無言のメッセージに耳を傾け、事件の真相を解明していくストーリー展開で人気を博している。2年ぶりの復活となった7月開始の第4シーズンも、いよいよ大詰め。2011年4月に第1シーズンが始まり、以後、スペシャルドラマも含めて主人公の刑事・糸村聡を6年に渡り演じ続けている俳優・上川隆也に話を聞いた。
自分で思っている以上に、『遺留捜査』が好きなのかも知れない
「何かの拍子にまた戻って来ても、このまま作品がなくなってしまっても、どちらに転んでもおかしくないと思っていました。自分の中での落としどころ、向き合い方として、期待もしないし、悲観もしないと。でも、あらためて今回はスペシャルではなく、連続ドラマと知った瞬間は嬉しかったですし、そう思った自分に驚きました。自分で思っている以上に、『遺留捜査』が好きなのかも知れません」 月島から京都へと舞台が移ったのも、今シーズンの大きな特徴だった。 「場所が変わっても、糸村自身には変わりはないです。もし他の人物を演じるのであれば、違った気持ちにもなるんでしょうけど。前シーズンから2年ぶりですが、僕もこれまで同様、何の抵抗もなく糸村になれました。衣装と斜めがけのカバンとスニーカーを身にまとえば、瞬時に糸村になれるんです。自分でも不思議なくらいです」
鋭い鑑識眼、偏執的ともいえるこだわりを持つ糸村は、“モノ”に対する思い入れが強すぎ、時には上司の命令を無視して単独行動を取ることもある異端児。空気を読まない超マイペースの不思議キャラだ。 「糸村はたしかに変人ではありますが、一方で愛すべき人物でもあるとも感じているんです。もしそれが、こうして作品が続く要因だとすれば嬉しいことですね」 前作から多少の時を経ても、また、ロケ地などの環境が変わっても、自然体でスッと役に入れる。糸村聡に変わりはないのだ。 「糸村は、やはり糸村なんです。それは僕だけの力ではなくて、ご一緒させていただいた皆さんと作ってきたものであると思っています」