上川隆也、地道さは「ロケットランチャーで痛快にプレーするために」
「台本通りに仕上がったことはない」村木との絶妙な掛け合いも再び
そして変わりないといえば、甲本雅裕演じる科捜研係官・村木繁とのユーモアたっぷりの絶妙な掛け合いも第1シーズンからおなじみ、「熟年夫婦みたい」などとファンに親しまれている。奇しくも同時期に京都府警の科捜研に派遣されるという設定で、コンビは守られた。 「脚本家さんには申し訳ないのですが、台本通りに仕上がったことはないです。僕と甲本さんで読み合わせをして、意見を交わし、監督とも話し合って、撮影に入ります。最後の村木の反応は甲本さんに任せていて、僕も知りません。オンエアで初めて、あんなことしていたんだ、と驚くこともあります。長年、共演していても甲本さんはいつも新鮮。だから毎回、予想の斜め上に芝居が落着する。彼がいないことには遺留捜査らしさが失われてしまいます」 今シーズンでは、いつもは糸村から依頼され渋々それを受ける村木が、逆に糸村に捜査を依頼するという異例の展開もあり話題になった。
大人な現場から生み出されるドラマ 根底に流れている想いとは?
また、栗山千明をはじめ新たなキャストが加わったが、それも自然体で馴染んだようだ。 「これまでもそうだったんですが、今回も素敵な方々にお集まりいただけました。現場も大人の雰囲気で、みんながその場の空気を把握しつつ、各々の役割を果たしていく。撮影の合間にはそれぞれ別のことをしていて、お互いにそれを容認している。誰かが何かを強いるようなこともなく、いい意味でのメリハリがある現場になっています」 そんな大人な現場から生み出されるドラマ。根底には、人の想いが流れている。糸村のどこかとらえどころのない軽妙な部分と、ストーリーに込められた重厚な人の想い。それが、絶妙のバランスでドラマを形作っている。 「この作品で何より大切にしているのはそこなんです。1話を事件を解決するためだけに使うのではなくて、その因果の一歩先に踏み込んで、関係者の想いを紐解き繋げていく。そこが1つの特色だと思います。だからこそ、それを大事にしたい。『誰もが毎日、身近に感じているようなことが、実は大切なのかも』ということが再認識できるようなドラマにできればと、みんな力を合わせて作っています」