“誤球事件”起こした3冠女王、全英Vのママさん… 米最終予選会で日本勢のライバルになる選手たち
<LPGA Qシリーズ(最終予選) 事前情報◇4日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71> でっかいワンちゃん【写真】 来季の米国女子ツアー出場権を争う最終予選会(Qシリーズ)に、世界各地から99人の選手が集まった。日本勢は世界ランキング上位者の資格で山下美夢有、岩井明愛、岩井千怜、今季米ツアーを戦った吉田優利と馬場咲希、2次予選会から進出した原英莉花と山口すず夏の7人が出場する。 出場者99人のうち、最多は米国の29人。次いで中国が9人、韓国が8人と続き、日本勢は4番目の多さとなる。5日間90ホールで争われ、上位25位タイまでが来季出場権を獲得する。日本勢のライバルとなる選手たちは、どんな顔ぶれなのか。 10月8日時点の世界ランキング上位者の資格でエントリーしたのは4人。そのうち3人が日本勢だ。山下は現在世界ランキング14位でフィールド最上位。そして29位の明愛に続き、30位につけているのが韓国のユン・イナだ。 イナの名が広まったきっかけのひとつが、2022年の誤球事件だ。韓国メジャー大会で誤球に気づきながら隠蔽したことが発覚し、3年間のツアー出場停止処分となった。その後、社会貢献活動などが認められ、処分期限が1年半に短縮。今年からツアーに復帰して優勝を果たすと、年間女王、賞金女王、平均ストローク1位の“3冠”を達成。1月に305位だった世界ランクは急上昇し、実力を改めて証明している。 吉田と同じく米ツアーポイントランキング101位以下の選手からは、米ツアー屈指の飛ばし屋ポリー・マック(ドイツ)やマリア・ファッシ(メキシコ)が参戦。さらに136位のソフィア・ポポフ(ドイツ)は、ママさんゴルファーとして挑戦する。 ポポフは2020年の「AIG女子オープン」(全英)でツアー初優勝。当時の世界ランキングは304位だった。23年6月には第一子を出産し、今年4月から産休制度でツアーに復帰。今季の最高成績は「ミズホアメリカズオープン」の14位と振るわず、6年ぶりの予選会出場となる。 2週間前に行われた最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」では、米国のスポーツ番組ESPNで“ラウンドレポーター”を初めて務めた。「ゴルフよりもレポーターのほうが緊張する…」と話していたが、全英を制したシンデレラは再び出場権を獲得することができるか。 さらに、欧州女子ツアーのポイントランキング上位者では今季3勝を飾った25歳、キアラ・タンブリーニ(スイス)らがエントリー。キアラは年間女王、最優秀選手賞、新人賞を一気につかみ、スターダムを駆け上がった。今年プロ転向したばかりの選手では、22年「全米女子アマ」で馬場と決勝戦を戦ったモネ・チュン(カナダ)が2次予選を突破して参戦する。 世界各地から集まったトッププレーヤーたちをライバルに、日本勢7人はボーダーラインの25位以内を目指して挑むことになる。