川崎と星を分けCS進出に望みをつなぐサンロッカーズ渋谷、「クソみたい」な状況から抜け出した『エース田中大貴』の目覚め
「自分たちの手でCSをつかみ取れたら、また違う戦いが待っていると思う」
SR渋谷のレギュラーシーズン最終戦の相手は、B2への降格回避に向けて死にものぐるいの信州ブレイブウォリアーズ。CS進出条件はシーホース三河や川崎、その他チームの結果がからむ複雑なもので、田中も「正確には理解していない」と話していたが、少なくとも信州に連勝しないことには何も始まらないことだけは分かっている。 「自分たちの手でCSをつかみ取れたら、また違う戦いが待ってると思うので、やっぱりなんとか(CSに行きたい)。今までいろんなことを経験してきていますし、CSでその経験を出せれば、今シーズンを自分にとって納得できるシーズンにできるんじゃないかと思います」 外国籍選手を抑え込むディフェンス。冷静な判断。そして、フェイダウェイ気味に放たれる美しいフォームのジャンプシュート……。この試合で彼が見せたパフォーマンスは、『エース』としての彼の風格を久しぶりに呼び起こさせられるものだった。そのような田中の姿をより長く見ていたいと願うファンのために。自分を導いてくれた恩師のために。支えてくれるチームのために。何より自分のために。田中は週末の2試合に全力を注ぎ込む所存だ。
青木美帆