鳥谷のロッテ入りは良かった。気になっていたからホッとした【岡田彰布のそらそうよ】
鳥谷のロッテ入り。本当に良かったわ
ようやく鳥谷[右]のロッテ入りが決まった。世の中がこんな状況の中でホットな話題となった。とことんまで野球道を突き詰めてほしい/松本尚樹球団本部長とZOZOマリンに入る鳥谷。写真=川口洋邦
まずは、このことを書く。鳥谷(鳥谷敬)、ロッテ入団!! 良かった、本当に良かった。まさか3月のこの時期になっての入団とは……。ずっと気になっていただけに、ホンマ、ホッとしたわ。 やっぱり、この男には強い思い入れがある。オレが監督になって、最初のドラフト1位選手。それも早大野球部の後輩よ。何度か書いたが、彼の起用法に対し、「特別扱い」といった表現もされた。しかし、オレは常に「まあ、見ておけよ。なぜ使うかの答えは、グラウンドでハッキリするから」と言い続けてきた。 もちろんバッティングは成長途上やった。でも鳥谷を1年目から起用したのは守備力と強じんな体があったからよ。大学時代、彼のデータを見ると、こんな記録が残っていたと思う。「送球ミスはゼロ」。内野ゴロをさばき、一塁に送球する。それが悪送球は一度もなかった……はずなのだ。スローイングの正確性は体の強さ、足腰の強さ、肩の強さ、すべてが備わってのもの。オレはここに着目していた。2004年に入団した当時、ショートには藤本(藤本敦士現阪神一軍内野守備走塁コーチ)がいたが、オレは藤本セカンド、鳥谷ショート、今岡(今岡誠=現真訪ロッテ二軍監督)をサードと決めていた。いきなりのレギュラーに、首をかしげるトラ番記者もいたが、オレはこう言ったもんよ。「今後10年、阪神のショートは不動」とね。 それが10年どころか15年も守り続けた。連続試合出場を記録したことで分かるように、体の強さを維持し続けた。この不断の努力こそが鳥谷の生き様。昨シーズン、構想から外れたような形であったが、まだまだやれる……とオレは感じていた。そしてオフを待たずに戦力外、自由契約。まったくもって、オレと同じような歩みで、阪神に・・・
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週刊ベースボール