移り変わる街・原宿に400年鎮座する「穏田神社」の“ずっと変わらない”もの
神宮前5丁目に鎮座し、400年の歴史を誇る「穏田神社」。宮司の船田睦子さんに話を聞いた。 ▶︎すべての写真を見る 渡辺 今日はよろしくお願いします。実は先代のお父さまには、よくお世話になっていました。 船田 そうだったんですね! 渡辺 以前はこの近くに店を構えていて、毎年正月はこちらで祈願していただいていました。その後、今はなき「モントーク」でお茶をして、仕事をせずに帰るというのがお決まりでした(笑)。だから「穏田神社」とは縁を感じており、ぜひお話をお伺いしたいと思った次第でした。 船田 ありがとうございます。渡辺さんと父のように、これまでのご縁がまだあったり、地域とのつながりにはいつも助けていただいています。 渡辺 この辺りは渋谷もすぐ近くで都心の中でも特別な立地ですよね。参拝者はどんな方が多いのですか? 船田 地元の方をはじめ、近隣のファッションや美容関係の方が多いです。海外の方も多くお参りされます。 渡辺 まさに原宿ならではですね。 船田 時代とともに変わり続けていく店や街並みですが、それはこの地域の特性。ゆえに神社も変わっていく必要があります。ただし、神社として守るべきことも大切にする。変わらず続けていくこと、変え続けていくことの線引きをしながら、変化を前向きに捉えていきたいです。 渡辺 モダンな見解ですね。それは原宿という地域に必要な目線のはず。
船田 移り変わる街に位置しながらも、ずっと変わらず、人と人がつながる場所、人を想う幸せが循環する場所。そんな神社を目指したいです。 渡辺 辺りはギラギラしているし、まるで台風の目のような存在ですね。 船田 はい。まさにそんなふうに原宿の魅力を発信していきたい。ホームページでは雑貨店「シボネ」や書店「ユトレヒト」などを含めた散歩マップを作ってみました。 渡辺 なるほど、面白い。神社が街のメディアを担う時代かもしれません。いただいたパンフレットのデザイン性にも目を惹かれました。 船田 神社は街とともに在ることを考えたら、そうした試みもありだと思います。ほかにも花火大会や子供フリーマーケットなど、さまざまな形で地域とつながりを作っています。 渡辺 楽しそうな施策が目白押しですね。子供の頃の神社での思い出、自分もたくさん覚えています。 船田 幼少期の体験ってとても大切。だからこそ今を暮らす人たちに届くような神社の在り方を発信したい。それが街の未来をつくり、神社の歴史もまた紡がれていくはずです。 神様とだけでなく、人と人をつなぐ「穏田神社」。この先も原宿のハブとして街の未来を作っていく。 穏田神社 住所:東京都渋谷区神宮前5-26-6 時間:11:00~16:00(※休務はホームページ、SNSにて告知) 若木信吾=写真 黒澤卓也=文
OCEANS編集部