希少な一族の末裔にあたる名種牡馬「モンズーン」 日本の活躍馬にも血を継ぐ一頭を深掘り
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬 【写真】スターズオンアースのこれまでの軌跡 【モンズーン】 世界的に希少なブランドフォード系の末裔で、ドイツで4回チャンピオンサイアーとなっただけでなく、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリア、アメリカでも大レース勝ち馬を出しました。芝2400mに強いタイプですが、時計の速い決着にも対応できる素軽さを秘めています。 産駒のスタセリタ(仏米のG1を6勝)は社台ファームが購買し、ソウルスターリング(オークス、阪神JF)、シェーングランツ(アルテミスS)の母となりました。それらの姪スターズオンアースは牝馬二冠馬です。 牡馬の代表産駒の一頭ノヴェリスト(キングジョージ6世&クイーンエリザベスSなどG1を4勝)は、わが国に輸入されて種牡馬となり、ブレークアップ(アルゼンチン共和国杯)、ラストドラフト(京成杯)などを出しています。 ◆血統に関する疑問にズバリ回答! 「ヨーロッパの新種牡馬戦線で注目馬はいますか?」 まだシーズンが始まったばかりですから、夏から秋にかけて重賞を消化するにつれ、有力種牡馬が台頭してくると思います。現時点で目立っている馬を1頭挙げるとすれば、セルゲイプロコフィエフ(Sergei Prokofiev)です。 各国のファーストシーズンサイアーランキングでは、イギリスで1位、アイルランドで1位、フランスで5位。早期の2歳戦で活躍しています。自身は2歳時に芝5ハロンの英G3を勝った程度の競走成績でしたが、仕上がりの早さとスピードを武器に台頭してきました。父スキャットダディはジャスティファイ、ノーネイネヴァー、カラヴァッジオ、ミスターメロディなどの父。セルゲイプロコフィエフは配合的にカラヴァッジオに近く、おそらく仕上がり早のスピード血統でしょう。