優雅な着物姿の裏では…/執筆:大久保佳代子
12月に入ると、翌年のお正月特番の収録があり着物を着る機会が。 自分で言うのもなんですが、私って着物が似合うんです。思わず「ママ、熱燗お願い」と言いたくなるような小料理屋(もしくは温泉旅館)の女将さん風に仕上りにまくるんです。 大久保佳代子さんの1ヶ月限定寄稿コラム『TOWN TALK』を読む。 なので着るのは嫌いではないのですが、如何せん苦しくてしんどい。着付けのスタッフさん(だいたい年上のお姉さま)は、長い収録中に着崩れさせたくないから、兎にも角にも可能な限りの本数の紐を使い、これでもかと締め付けたい派。それに対し、苦しいのは嫌だから少しでも紐が緩い状態にしたい派の私。熟練のお姉さまには敬意を払いたいため、「緩めにしてください」とは言えず。 そこで見出した締め付け回避テクニックが『腹パンカエル』。まさに紐でキュッと締め上げられそうになった瞬間、鼻から思いっきり息を吸い込み、胸とお腹を膨らまし体に厚みを。膨らんでいる状態で紐を締めてもらえば、その後、息を吐いた時に隙間が生まれ緩めになっているはず。この技は、概ね有効なのですが、たまに上手(うわて)な相手の時が。腹パン状態って長く維持できない欠点があり、締め上げるタイミングをずらされてしまうとアウト。通常な状態でしっかり締め上げられてしまう。そういう時は、せめてもの抵抗で「グエッ」と小さくカエル鳴きを。「大丈夫ですか?」と聞いてくれるので「少しきついかな」と言うけれど、緩めてくれる気配はほとんどない。着物って優雅で素敵だけど、裏でこんな戦いがあるんです。
プロフィール
大久保佳代子 おおくぼ・かよこ|1971年生まれ、愛知県出身。大学時代に幼なじみの光浦靖子とお笑いコンビ「オアシズ」結成。「ノンストップ!」(CX系列)、「ゴゴスマ」(TBS系列)レギュラーなど、多数のバラエティを中心に活躍中。 text: Kayoko Okubo edit: Eri Machida
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