「高校生NO.1左腕」の評価は確定か!?東海大相模の198センチ左腕・藤田 琉生が昨年のドラフト指名投手を凌駕する快投!【球速データ付き】
<第106回全国高校野球選手権神奈川大会:東海大相模13-1日大藤沢>◇20日◇準々決勝◇サーティフォー相模原球場 【一覧】藤田の各イニングのマックス球速・140キロを計測した数 東海大相模の198センチ左腕・藤田 琉生投手(3年)は日大藤沢戦で7.1回を投げて、6奪三振、2四球、被安打3、無失点の快投で準決勝に導いた。 大会初戦だった9日の横浜桜陽戦と比べても明らかに進化していた。 藤田は立ち上がりから全力投球だった。この試合最速148キロの速球を2球計測。1イニング目の平均球速は平均144.83キロだった。最速143キロだった横浜桜陽戦と比べると明らかにストレートの球威が違う。初回は意識的に全力投球を行った。 「長谷川コーチから『初回は全力でいけ!』と。投げていくうちに無駄な力が抜けるといわれて、確かにその後は8分の力で攻めることができました」 2回以降も140キロ中盤の速球で勝負し、好打者揃いの日大藤沢打線を抑える。直球だけではなく、変化球の精度も高い。この試合は大きく曲がる110キロ台のカーブと打者の手元で大きく減速する130キロ台のチェンジアップの2球種を投げ込み、三振を奪う場面があった。 「変化球は自分の思い通りのボールが投げられた。今日はバックの守備を信じて打たせて取ることができたし、併殺を打たせたことも大きかった」 3回に日大藤沢の1番半田 南十内野手(2年)を三塁ゴロ併殺に打ち取り、ピンチを切り抜けた。三塁・日賀 琉斗内野手(2年)の華麗なグラブ裁きが光った。 「みんな守備はうまいですが、特に三塁の日賀、ショートの才田(和空)の守備は信頼していますので、彼らのところに打たせれば安心です」 この試合は最速148キロ、平均球速142.28キロ。前回の横浜桜陽戦は139.64キロと約3キロ近くも速かった。高校生左腕の平均球速140キロ超えはなかなかなく、昨年、大阪桐蔭を完封して評価をあげた履正社の福田幸之介投手(中日ドラフト4位)は最速151キロ、平均球速140.03キロだった。140キロを超えたのは36球で、先発でこれほどの速球を投げられる高校生もまれだ。35度の猛暑の中、投げきったことについて原俊介監督も「顔色を変えず、よく粘り強く投げてくれました」とエースの好投をたたえた。 春まで課題だった球速、球威向上のレベルアップをこの試合で印象付けた。198センチ左腕という規格外の体型に加え、変化球の精度も高く、牽制、クイックもしっかりとこなせる。高校生NO.1左腕の評価を確定させた試合だったのではないか。