中国の「原発崛起」…「建設期間短縮、低利融資で世界進出」(1)
先月23日、中国東南部沿岸の福建省福清原発5号機の主制御室(MCR)。正面に設置された8つのスクリーンに各種数字が光った。経歴10年前後の当直者が24時間、原子炉の炉心と蒸気タービン室の現況を知らせる数値を注視している。 福清原発の李宗霖首席管理者は「ここは中国がオリジナルのブランドとして開発した第3世代加圧水型原子炉『華竜1号(HPR1000)』の頭脳」とし「原子炉のすべての状況を監視・制御する総括統制施設」と紹介した。 「現在、華竜1号は中国と海外で計6基が稼働中、27基が建設中であり、世界で最も数が多い第3世代原発技術です」。王秋林・華竜国際代表兼党書記は前日、北京で開いた海外記者向けの事前ブリーフィングでこのように述べた。大量・大規模建設で規模の経済を誇る原発という趣旨だ。華竜国際は2016年に華竜1号の海外輸出のために国有企業の中国核工業グループ(CNNC)と中国広核グループ(CGN)が共同出資して設立した企業だ。 23日、福清市内からバスで50分ほど走ると福清原発に到着した。韓国メディアでは初めて訪問したここで最初に目に入ったのは、海岸に一列に並ぶ灰色のドーム形態のコンクリート建築物6棟だ。福清原発1-6号機で、1-4号機は第2.5世代の中国型軽水炉モデルCPR-1000を採用した。これとは違い華竜1号を初めて採択した5・6号機はドームを囲むコンクリートベルトが以前のモデルより倍以上厚く見えた。 本部のロビーには中国の原子爆弾実験成功60周年を記念するポスターと「強い原発で祖国に報いて革新に貢献しよう」という原発報国のスローガンが掛けられていた。 ◆「原発ドラマ」で反核情緒を弱める 張恩瑜書記は「華竜1号は中国製造2025の核心プロジェクト」とし「昨年3月にCC-TV1チャンネルのゴールデンタイムに放送されたドラマ『許祢万家灯火』の背景」と紹介した。このドラマは2011年の福島原発事故の余波で生じた原発反対の動きを乗り越え、中国産第3世代原発を建設する過程を描いた。中国内の反核情緒に対して啓蒙する当局の意中が反映された。 福清「華竜1号」の最も大きな特徴は建設速度だ。2015年5月に着工し、2021年1月の稼働まで68.7カ月しかかからなかった。福清原発の関係者は米国・欧州・ロシアを含む第3世代1号原子炉のうち建設期間が最も短いと説明した。設計寿命60年の華竜1号はフランスM310モデルの原子炉燃料棒157本より20本多い177本の炉心を採択した。李宗霖首席管理者は「福清5・6号機は世界原子力発電事業者協会(WANO)安全規定で総合指数満点を達成した」と自慢した。 2日後には福清から南側に400キロ離れたところにに建設中の漳州原発を訪問した。習近平国家主席が先月15日に訪問した東山島と向き合った海岸を削って華竜1号原子炉4基を同時に建設していた。 漳州原発の李彬報道官は「9月27日に4号機にコンクリート打設作業をし、10月12日に1号機への燃料棒投入が始まり、年末の稼働を控えている」と紹介した。敷地選定当時に漁業関係者など地域住民の反対はなかったのかと尋ねると、李報道官は「経済・教育・就職など支援パッケージで住民の歓迎を受けた」と答えた。 原発で韓国より後発走者だった中国は世界レベルの「原発崛起」に成功したと評価される。慶煕大のチョン・ボムジン原子力工学科教授は「原発崛起の背景には政府の莫大な投資と内需基盤の巨大な規模の原発生態系がある」とし「特に小型モジュール原発(SMR)、高温ガス炉(HTGR)などほとんどすべての種類の第4世代原子炉炉型に韓国の全体原発研究費に相当する金額を投入している」と紹介した。