パリ五輪サーフィン代表・稲葉玲王選手、地元千葉で壮行会「みんなのパワーで金を」
来月26日開幕のパリ五輪が迫る中、サーフィンの日本代表に決まっている千葉県一宮町出身の稲葉玲王(れお)選手(27)の壮行会が23日、同町のホテルで開かれた。地元の人たちやプロサーファー仲間ら約200人が激励に駆け付け、稲葉選手は「これだけの応援団がいる。みんなのパワーをもらって絶対に金メダルをみせたい」と抱負を語った。 壮行会は地元有志が開き、一宮町の馬淵昌也町長も顔を出した。会場は「GO(ゴー) REO(レオ)」とプリントした白を基調としたTシャツ姿で埋め尽くされ、稲葉選手は「五輪出場という大きなチャンスをつかむことができた。金メダルを持ち帰り、皆さんに恩返ししたい」とも語り、気合を入れた。 パリ五輪のサーフィン会場はフランス領ポリネシアのタヒチ島。「一瞬(の油断)で死が待っている」(稲葉選手)というビッグウエーブにひるまないよう、稲葉選手は大先輩で鴨川市のプロサーファー、小川直久さんの競技用ヘルメットのデザインを模したヘルメットを現地に持参する予定だ。 小川さんはパリ五輪出場を目指していたが、昨年、夢半ばの51歳で亡くなった。「現役を最後まで貫き、日本人が世界の大会に出場できるようレールを敷いてくれた一人。その遺志を継いでパワーをもらえたら…」。稲葉選手は言葉を詰まらせた。 プロサーファー仲間によると、大舞台では気合を入れるため、あえてパンチパーマをかけて波に挑むのが「稲葉流」だ。日の丸を背負う五輪本番で「気合のパンチパーマ」がみられるのか。「まだナイショ。その気持ちはある」と、稲葉選手は白い歯をみせた。 幼少時代の稲葉選手にサーフィンを熱血指導し、コーチ役として成長を見守ってきたプロサーファーの父、康宗さん(58)は「なんとかメダルを獲得してほしい」。地元の応援を背に、稲葉選手は7月に大舞台に向かう予定だ。 ◇ 千葉県は、東京五輪で一宮町がサーフィン会場となったのを契機に、7月中旬からサーフィンの初心者を対象としたイベント「BOSOサーフィンミーティング2024」を開く。外房の海岸での体験会を通じて、競技人口の裾野拡大とともに、一宮町など「サーフタウン」の活性化を図る。 イベントは御宿町、勝浦市など外房沿岸の自治体で、9月下旬まで土日を中心に開催する。サーフィン体験のほか、現地に移住してきたサーファーとの交流会も予定している。参加は1人5千円。
また、県は茂原市や白子町など7市町村の小学校計10校で、学校のプールを利用した児童向けのサーフィン体験会を実施。日本サーフィン連盟のメンバーがパドリングなどサーフィンの動きを教える。7月中旬まで行う計画だ。