世紀の女傑対決!ブエナビスタとアパパネ 歴史に残るハイレベル決着/2011年ヴィクトリアマイル
【記者が振り返る懐かしのベストレース】牝馬のマイル王決定戦。世紀の女傑対決が実現した2011年は、まさに手に汗握るデッドヒートが繰り広げられた。 前年の牝馬3冠馬アパパネが、前年の覇者で年度代表馬でもあるブエナビスタに挑む、屈指の名牝同士の戦い。ブエナが単勝150円、アパパネが410円…単勝3桁がこの2頭だけだったのも当然だろう。 レースは伏兵オウケンサクラの玉砕ともいえる大逃げで始まった。5ハロン通過55秒9のラップはレース史上最速。激流の中、アパパネはスムーズに折り合いをつけて中団に待機。対してブエナはその直後を追走。最大のライバルを常に視界に捉えながらレースが進んでいく。 直線で好位を進んだレディアルバローザが馬場の最内から抜け出しにかかる。ここで後ろのブエナを待たず、早めに仕掛けたのはアパパネ=蛯名のファインプレー。ワンテンポ遅れてブエナが仕掛けるが…。アパパネは粘り込むレディをかわし、さらにブエナの猛追もギリギリ抑え込んで、牝馬3冠馬の底力を改めてアピールした。 一方、海外遠征(ドバイワールドC8着)明けで完調とは言い難かったブエナビスタ。追い出しての反応が微妙に鈍かったのはその影響だろうが、それでも最速上がり(3ハロン34秒0)を駆使したのは先輩の意地だったか。 走破タイム1分31秒9はもちろんレースレコード。史上に残るハイレベルな争いを証明するものだった。(2012年5月9日付東京スポーツ掲載、レコードは当時のもの)
東スポ競馬編集部