暑すぎる日本の夏、海辺に暮らす作家・甘糟りり子さんが見つけたおしゃれの正解と最近買ったもの
色違いのワンピースと運命のオールインワン
夏のワンピースは気に入ったら色違いで何着も買っちゃいます。 一昨年は『COS』のワンピースを黒、白、茶色の三色大人買い。黒と茶色はサイズ違いでも買い足しました。ラフにする時とスーパーラフにする時のために。誰にもわからなくても、私なりの加減てものがラフさにだってあるんです。Tシャツの裾を長くしたシンプルなデザインですが、スリットが大胆に入っているので事務的にはなりません。 同じ頃、ネットサーフィンをしていて見つけたのは『COGTFEBIGSMOKE(コグザビッグスモーク)』というブランドのオールインワン。これが私的に大ヒットでした。イギリス在住の日本女性のデザイナーが手掛ております。 トップスは肩が少し隠れるぐらいのノースリーブで、ボトムスはボリュームたっぷりのパンタロン。それが一つに繋がっている。一見ロングスカートに見えて、歩くと雑な私でもエレガントなふりができます。黒と迷ってチャコールグレーを選びました。地厚のコットンのように見えますがペットボトルなどをリサイクルした素材で、色落ちしないそう。 背中がぱっくり割れているので、差し色的にタンクトップを着ればブラジャーは不要です。ウエストがリボンで調節できるようになっていて、絞らないとモードっぽく、絞ればドレッシーに着こなせます。 小物さえちゃんとしておけばサマになるので、迷うとつい手が伸びちゃう。163センチの私がビーサンだと床すれすれ(というか、もはや引きずるぐらい)でしたが、気にせずそこらじゅうを掃除しながら着ております。ボトムスのボリューム感がこの服のキモだと思うので。まあね、トイレの時だけ入る前に持ち上げてましたけれど。夏の終わりにカーキがセールになっていたのでそれも即買い。翌年の夏も同じタイプがあったので、パープルを買いました。黒なら真夏の冠婚葬祭もこれでいけると思ったのですが、黒はさっさと売り切れてました。あー、買っておけば良かった!!! 昨年の夏の写真を見てみると、このオールインワンのチャコールグレイ、カーキ、パープルの無限ループでした。インナーはユニクロのエアリズムの黒。もちろんノーブラ。 かつておしゃれはやせ我慢と共にあると信じていた頃がありました。若かったなあ。笑 いい大人になった今、だらしなくならずに自分を解放してくれる服が最高におしゃれだと思うようになりました。
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