AI企業のコンテンツ使用契約を米当局は注視-反トラスト局長
(ブルームバーグ): 米司法省はオープンAIなどの人工知能(AI)企業がコンテンツクリエーターと結ぶ契約を注視していると、同省反トラスト(独占禁止)局のジョナサン・カンター局長が明らかにした。
カンター氏はスタンフォード大学での会議に合わせて30日に行われたインタビューで、「われわれはこうした契約をすべて注意深く見守っている」と発言。「売り手に対して独占的な支配力を持つ企業と契約を結ぶだけだとしても、法の下で容認されると決まったわけではない」と指摘した。
同氏はこの日の同会議で、AI企業は他の産業の崩壊を招かないよう「クリエーターの仕事に十分報いる」必要があると述べていた。
カンター氏率いる反トラスト当局者は少数ないし1社の買い手が売り手に対して独占的な支配力を有するいわゆる「モノプソニー」への監視を強めている。
オープンAIやメタ・プラットフォームズ、アルファベット傘下グーグルなどはAIの学習のために記事や書籍、オンライン上のコメントなどから争って大量のデータを収集している。こうした動きに対し、著作権者はこれら企業が代償を支払わずに、あるいは本来の意図に反して著作物を利用していると批判している。
オープンAIはニューズ・コーポレーションやフィナンシャル・タイムズ(FT)、ドットダッシュ・メレディスなどのメディア企業のほか、ソーシャルメディア企業レディットなどとも契約を結んでいる。
オープンAIと契約する企業が増える一方で、一部メディアは抵抗を続けている。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は同社コンテンツをAIツールの学習向けに許可なく使用したとして、マイクロソフトとオープンAIを提訴した。
NYタイムズ、著作権侵害でマイクロソフトとオープンAIを提訴
原題:AI Content Deals Face Antitrust Spotlight, Top US Official Says(抜粋)