沢田研二主演映画4作品をラインナップ 75歳のバースデーライブも全国無料初放送<ジュリー・フェスティバル 沢田研二特集>
“ジュリー”の愛称で親しまれる沢田研二。歌手として「勝手にしやがれ」や「時の過ぎゆくままに」など数多くのヒット曲をリリースし、俳優としてもさまざまな映画やドラマに出演し続ける不世出のスターだ。BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では、8月29日(木)より「ジュリー・フェスティバル 沢田研二特集」と題して、沢田研二主演映画4作品や、2023年に開催されたバースデーライブ「沢田研二 LIVE2022-2023『まだまだ一生懸命』」を一挙放送。そこで今回は、“ジュリー作品”の内容や見どころを紹介していく。 【写真】渋い表情がカッコいい…太陽に照らされる沢田研二 ■貴重なライブシーンを含む青春映画「炎の肖像」 8月29日(木)夜8時からは、沢田研二ソロデビュー後の主演第1作目となる映画「炎の肖像」(1974年公開)を放送。沢田と劇中歌手・二郎の像をダブらせた異色の青春映画だ。 ロック歌手・ジュリーのライブ映像を随所に挟みながら、彼を主人公に秋吉久美子や原田美枝子ら演じる数々の女性たちとのラブストーリーも描かれる。 本作は、マスコミを通して作り上げられ、ファンが抱く“虚像”と、暴力や衝動への志向性を秘めた“実像”を併せ持つ一人のスターの姿を通して、その日常や疎外感が垣間見える点が見どころ。ドキュメンタリータッチの演出や、当時アイドル的な人気を誇っていた沢田が荒っぽい言葉を使って喧嘩シーンを演じたことでも話題に。 自由を追い求める孤独な青年の怒りや悲しみの姿を見事に演じた沢田の演技力に注目だ。 ■男2人、女1人の奇妙な共同生活を描いた映画「ときめきに死す」 8月30日(金)夜8時からは、沢田自ら映画化を熱望し、孤高のテロリストを描いた「ときめきに死す」(1984年公開)を放送。丸山健二の小説をもとに、原作に存在しないキャラクターやロケーションが登場したことで注目を集めた。 本作では、謎の組織からある男の身の回りの世話をするよう依頼された大倉洋介(杉浦直樹)が、北海道の田舎町で工藤直也(沢田研二)という若い男と出会う。組織からの指示に従い、別荘で工藤の世話をする大倉。自ら会話しようとせず黙々とただトレーニングに励むだけの偏屈な工藤との生活、そして工藤の正体に関する質問も一切してはいけないというルールの元、ただひたすら命令に従う生活を送る。 しかし実は工藤は暗殺者で、指令を待っていた。そんなある日、組織から梢ひろみ(樋口可南子)という女性が派遣されてくる。しだいに梢は工藤を愛するようになるが、その後、工藤に暗殺指令が下り、犯行の予定地へ向かうのだった――。 男2人、女1人の奇妙な共同生活を延々と描くという異色なテーマ性と、誰もが予想できない“衝撃のラストシーン”が本作最大の見どころとなる。また、ミステリアスな雰囲気を醸す沢田研二に、樋口可南子の妖艶さも魅力の一つだ。 ■コロナ禍を乗り越えて公開 家族愛を描いた映画「キネマの神様」 8月31日(土)夜9時からは、沢田研二と菅田将暉がW主演を務める「キネマの神様」(2021年公開)を放送。本作は松竹映画100周年記念作品として、作家・原田マハの同名小説を山田洋次監督が映画化。“映画の神様”を信じる男の人生と、彼を取り巻く愛や友情、そして家族を描いた物語となっている。 主人公は、ギャンブルと酒好きが講じて借金を抱え、家族にも見放されてしまったゴウ。そんな彼は、かつて助監督として働いており、映画監督を夢見ていたのだった。 本作では、現在のゴウが数十年前の“映画を愛していた青春時代”を回想する形で進んでいき、映画への愛はもちろん、友情や家族への愛を同時に描いた、温かみのある作品に仕上がっている。ギャンブルに入り浸ったゴウを沢田研二が、そして若き日のゴウを菅田将暉が演じたことで話題を呼んだ。また、ゴウの妻である淑子を宮本信子と永野芽郁がそれぞれ演じている。 実はゴウ役については、もともとコメディアンの志村けんさんが演じることになっていた。しかし、コロナ禍に帰らぬ人となってしまい、かつて志村さんと同じ事務所の先輩・後輩として親交が深かった沢田が、その遺志を継いでゴウ役を務めることに。作中で、自らの個性を出しつつも志村さんらしさも表現している沢田の演技は“神業”と評されている。 ■愛に翻弄される男女の普遍的な愛をテーマにした「夢二」 9月2日(月)夜8時からは、4Kデジタル完全修復版(※2K放送)として映画「夢二」(1991年公開)を放送。憂いのある美人画で知られ、大正ロマンを象徴する画家・竹久夢二を沢田が演じる本作は、夢二と浮名を流した女性たちとのロマンスを中心に描かれる。 夢二の最愛の人・彦乃(宮崎萬純)や、夢二の美人画のモデルとも言われているお葉(広田レオナ)など実在した人物も登場し、夢か現実か判断しにくいような、見る者を幽玄の世界に引き込む作風となっている。本作で沢田は、喜怒哀楽の感情が目まぐるしく変わっていく夢二を熱演。芸術家さながらに、感じるままに筆を取り“今を生きる”夢二を、時にコミカルに、時につややかに演じ好評を博した。 監督は「夢二」を含む「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」といった“大正浪漫三部作”を制作し、その映像美で多くの若手監督に影響を与えた鈴木清順監督。“映画に理屈は不要だ”という彼独自の信念を持っており、鈴木監督の独特の色彩感覚も見どころの一つだ。 ■75歳を記念したメモリアルライブ「沢田研二 LIVE2022-2023『まだまだ一生懸命』」 沢田の主演映画4作品に加え、9月1日(日)夜7時からは「沢田研二 LIVE2022-2023『まだまだ一生懸命』」ツアーファイナルのバースデーライブを全国無料初放送する。 2023年6月25日、沢田研二75歳の誕生日を記念し、さいたまスーパーアリーナでおこなわれた同ツアーファイナル。力強いバンドサウンドに乗せて「勝手にしやがれ」や「時の過ぎゆくままに」、「危険なふたり」など往年のヒット曲から「いつか君は」など近年の曲まで熱唱し、アンコールを含む全27曲を披露する。時に髪をなびかせてシャウトをしながら、エネルギッシュに歌って踊る沢田の姿は圧巻だ。 またスペシャルゲストとして、沢田が所属していたバンド「ザ・タイガース」の元メンバーである瞳みのる、森本太郎、岸部一徳も登場。見ていて元気をもらえるような同ライブでは、色褪せることない沢田の歌声や楽曲を存分に堪能できる。