大津地裁

　滋賀県長浜市で昨年7月、学童保育のプール活動中に市立小1年の児童=当時（6）=が溺れて死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた学童保育所元園長の被告（50）の論告求刑公判が24日、大津地裁（西脇真由子裁判官）であり、検察側は懲役1年6月を求刑した。弁護側は執行猶予付き判決を求め、結審した。判決は来年1月27日。 【写真】死亡事故があったプール 　公判では児童の両親が意見陳述し、父親は「（被告は）事故の理由を『慢心』というだけで逃げている。誠意が足りず、一生許すつもりはない」と憤った。母親は「プールに入ってたった10分で、声も上げられず溺れていた。想像すると涙が止まらない。不注意では済まされない」と涙ぐんだ。 　検察側は論告で、被告が実効的な体制を講じずに監視を怠ったとし、「管理者としての責務を一切果たしておらず、被告人の過失の程度は極めて大きい」と指摘した。 　弁護側は「学童保育所を自主退社しており、（遺族への）賠償を提案している」と情状酌量を求めた。被告は最終意見陳述で「事件に向き合い、償っていきたい」と謝罪した。 　起訴状によると、昨年7月26日午後1時ごろ、同市野瀬町の屋外プールで、児童が遊泳する際、あらかじめ児童の身長や遊泳能力を把握せず、溺れないよう常に監視するなどの注意義務を怠り、児童（6）を溺死させた、としている。