「朝鮮半島と台湾は火薬庫…韓国は冷戦時代のドイツやフランスから学ぶべき」
東アジアで「第3次世界大戦」が起きるのを防ぐためには、市民社会の連帯、現実主義的な状況管理、軍産複合体の解体などが重要だ。このような提案がなされた。 2024ハンギョレ-釜山(プサン)シンポジウムの第1セッションは、釜山大学のチャ・チャンフン教授の司会で「東アジアはどこへ」をテーマに、東アジアで高まる戦争危機の解決法を議論した。30年以上にわたり日本の平和運動で中心的な役割を果たしてきたピースボートの吉岡達也代表は、「市民団体の連帯と力」を強調した。同氏は「トランプ政権は何をするか分からないという不確実性が高まるほど、(東アジアの)私たちはどのようにトランプを動かすのかという問いが重要になる」と語った。また、「2019年にトランプは北朝鮮との首脳会談で変化を生み出そうとしたが失敗した。米国の大統領が誰になろうと、私たち(韓国と日本の市民社会)は協力して安定した平和をこの地域で作り出さなければならない。未来は私たちの手の中にある」と強調した。吉岡代表は、核戦争の危険性はもはや虚構ではないとも警告した。そして「核兵器は絶対的な脅威だ。広島と長崎の原爆被害者たちはガザ地区の惨状を見て原爆の経験を思い起こした」とし、核戦争を防ぎ、ガザ地区などでの虐殺を終わらせる切迫性を強調した。 続いて行われた討論で、成均館大学のチャ・テソ教授は、今日の新冷戦時代に過去の冷戦時代の教訓を生かし、「消極的平和と安定」を維持しつつ妥協していくという現実主義的な解決策を提案した。チャ教授は「ウクライナ、台湾、朝鮮半島は大国の勢力圏が衝突する、断層の上にある『火薬庫』であるという点で互いにつながっている」とし、「ウクライナ戦争がどのように終結するかが、習近平の台湾に対する戦略、金正恩(キム・ジョンウン)の考えにも影響を及ぼすだろう」と述べた。同氏は、米国のヘゲモニーが作動しない新たな国際情勢の中で「北朝鮮は新たな道、全面突破戦へと向かっている」とし、「非核化は長期的な目標へと先送りせざるを得ず、現在は軍備の統制を通じて『核兵器と共に』状況を管理しつつ生きていくのが現実的な目標」だと診断した。チャ教授はさらに「旧冷戦の教訓を生かして、新冷戦の消極的な平和と安定性を保つことが重要だ」とし、「ソ連の脅威に対応するためにNATOに加入したが自国なりの構想と戦略を展開したフランスと西ドイツのように、韓国と日本も米国と協力しつつも、必要な時には距離を置いて独自の戦略を展開することが死活的問題」だと強調した。 米国のアメリカン大学のデイヴィッド・ヴァイン教授は、世界各地で戦争を引き起こしている軍産複合体の脅威を警告した。同氏は「世界で戦争は絶えず、米国は非常に多くの戦争に介入している」として、「戦争で利益を得て戦争をあおる戦争システムと軍産複合体を解体しなければならない」と述べた。同氏は「米国、中国、ロシア、韓国においても軍産複合体は次第に勢力を拡大しており、平和のための努力の邪魔になっている」と懸念しつつ、「戦争に備える戦略がむしろ戦争を引き起こすという自己充足的予言にならないようにする、第3次大戦へと向かわないようにする方法を見出さなければならない」と語った。同氏は「トランプ次期大統領が選挙運動の過程で反戦を強調し、軍産複合体をなくすと述べたことは肯定的」だとも語った。 釜山/パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )