新人戦を制した荒木優奈のスウィングをプロが解説。低く長いインパクトゾーンを作る動きとは?【勝者のスウィング】
2024年「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」でプロ初勝利を飾った荒木優奈。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が完全優勝を達成したスウィングを解説。 荒木優奈のドライバー正面連続写真はこちらから
24年のプロテストを4位タイで合格し、1stQTを8位で通過、ファイナルQTは37位で来季のレギュラーツアー出場権を獲得した荒木優奈選手。ジュニア時代はナショナルチームで活躍した積み重ねが花開いた24年になりました。 スウィングを見てみるとオーソドックスなスクエアグリップで握り、フェースを開き過ぎずにヘッドを低く始動します。左手が地面と平行な位置でクラブは90度に満たないので手首のコックを積極的に使うタイプではありません。
下半身に注目してみると、右サイドのひざも骨盤も止めすぎずに動かしながら重心を右に移動させています。画像Aの右のトップの位置では、わずかに左への骨盤の移動が行われ左への重心の移動が見てとれます。 キネマティックシークエンスと呼ばれるトッププレーヤーに共通する動き出しの順番は、骨盤、体幹、左腕(リードアーム)、シャフトと分析されていますが、まさに共通するその動きが再現されています。 ダウンスウィングを見ると、動き出した骨盤、体幹、左腕の順に減速することでエネルギーが伝達されていきます。足裏の圧力を計測する計測器の分析では、切り返しで骨盤の横方向の移動のあと、回転力(トルク)、最後に左足を伸ばす縦方向の力が加わりクラブを加速させることが知られていますが、荒木選手の連続写真からもそのタイミングが揃っていることがわかります。 そうすることによって、手先を使い過ぎないインパクトゾーンの動きにつながっています。武器はアイアンショットというので、距離感と方向性を合わせたアイアンショットも見てみたいと思わせるスウィングですね。 25年は開幕戦から出場できる順位で終えたことで、毎週変わるコースや気候など移動しながらのツアー生活が始まります。前半戦にどんなプレーを見せてくれるのか。楽しみな選手がまた一人現れました。 写真/大澤進二
プロゴルファー・中村修