巨人のスモーク電撃退団は阪神追撃への痛手となるのか?
「現場がスモークのバットに期待していた数字は、こんなもんじゃなかったと思う。スモークは守備に安定感がなく、あまりに足が遅い。スモークが走者で出ると塁が詰まる。そう考えると、今の倍くらいの本塁打を打っていなければ割に合わない選手。もちろん一発が魅力なので打線には置いておきたい選手だが、スモークがいなくなったことで逆に得点能力と守備力が上がる可能性もある」 スモークの出塁率は.336だが、得点は11で、そのうち7得点は本塁打によるものだから、走ってホームを踏んだ得点は4しかないということになる。スモークを塁におくと、そこからつながる下位打線で機動力を使えないなど攻撃に制約が生まれていたことも事実。得点圏打率.259も物足りない数字だ。また一塁手としては25試合でチームワーストの4失策をするなど投手の足を引っ張った。 高代氏は、スモーク退団後の布陣をこう予測した。 「おそらく原監督にはツープラトンの考えた方があると思う」 ひとつは、レフトのウィーラーを一塁で起用して、松原をレフトに起用するケース。ライト梶谷、センター丸、レフト松原の布陣だ。 「松原には、センターで使っていいほど守備力があり、ウィーラーもレフトで懸命の守備を見せていたが、間違いなくスモークがいたときよりもチームの守備力はアップする。また攻撃面では、松原は機動力が使えるので打線がつながる」 もうひとつは、中島を一塁におき、レフトにウィーラー、センターに丸か松原、ライト梶谷のパターン。 「左投手や相手投手との相性を見て得点圏打率5割で勝負強さのある中島を使うケースもあると思う。丸、梶谷、中島、松原が打てば、スモークの穴は穴にならない。ただ彼らが打てなければ“スモークが抜けて痛い”となる。巨人のことだから、ここから新外国人の緊急補強をする可能性もあると思う。それはフロントの仕事として重要なことではあるが、私はスモークの穴を埋めるカギは、丸の復調だと思う」 丸は今季、打率.227、4本塁打、8打点と大不振。得点圏打率は.200しかなくブレーキとなっている。特に左投手に対しては、打率.184とまったく打てていない。原監督は6月4日の試合後についに二軍調整を命じた。 高代氏は不振理由をこう分析している。 「バッティングが全体的に小さくなっている。遅れまいとするのか、逆にタイミングに間がなくなり、ストレートをミスショットするケースが増えている。また走攻守を通じて動きにスピードがなくなっているのが気になる。野球選手は、突然、衰えてしまうケースがあるが、まだ32歳。年齢的には衰えるには早い。広島出身の選手は練習もよくする。新型コロナに感染した影響はないと思うが、何かしらコンディションに問題があるのかもしれない」 丸は15日に1軍に再合流しており、今日18日の阪神戦からスタメン復帰予定だ。