安田美沙子さんと東京マラソン理事長・早野忠昭氏に聞く!変化していく「東京マラソンのこれから」
“走る喜び、支える誇り、応援する楽しみ”を大切に
安田さん:「新理事⻑になられて、これから東京マラソンをどう変えていかれるのですか?」 早野理事長:「東京マラソンは“走る喜び、支える誇り、応援する楽しみ”を大切にしています。ランナーとしての参加、あるいはボランティアだけではなく、スポンサーなども支える側として参加しているということです。また沿道やテレビなどを通じて応援し、そこから感動や刺激を受けるという参加の方法もあると思っています。自分が走らなくても、東京マラソンへの参加の形は色々ある。それを多くの方に知ってもらい、感動の輪をもっと広げていきたいですね」 安田さん:「東京マラソンへの参加って、走るか、ボランティアか、だと思っていましたが、応援する人やスポンサーとして支援する企業も広い意味での“参加者”なんですね」 早野理事長:「そう考えています。フルマラソンへの参加は、走ったこともない方にとってはとてもハードルが高いことですよね。でも、ボランティアとしてなら参加できます。そしてボランティアをしてみると、“マラソンって最高”と感じるんです。ランナーの方に“ありがとう”と言ってもらえると、ボランティアにとっても喜びや感動に繋がります。そうしたマラソンから生み出される感動が、人を助けること、育成にも繋がってくると思うのです。私はそういう感動の瞬間をたくさん作っていきたいと思っています」 安田さん:「なるほど。確かにボランティアって素敵ですよね。私もこの前、ごみを拾いながら走っている方たちを見かけたんです。そしてその方々に“ありがとう”と声をかけている人を見て、そのコミュニケーションって素敵だなって思いました」
スポーツを通して子供に伝えたい「やり遂げる」ということ
早野理事長:「安田さんは、ランナーとして東京マラソンに期待することはありますか?」 安田さん:「私、食育の団体に入っていて、たまに復興マラソンをやっているんです。そこでお母さんと子どもが走っている姿とか見ると、なんだか泣けちゃうんですよね。だから東京マラソンの“子ども部門”とか“親子部門”があったらいいなと思います」 早野理事長:「子を持つ親の気持ち、分かります。やはりお子さんを持たれて走っているママなどが参加しやすい環境を、つくっていかなければいけないと感じます。東京マラソン当日は難しいかもしれませんが、関連イベントとして実施していた“ファミリーラン”や“フレンドシップラン”のように、東京マラソンウィークのイベント(東京ランニングフェスタ)の一環として行ったり、秋に開催する東京レガシーハーフマラソンの前日や、昨年新しく誕生したリレーマラソン、トウキョウロクタイフェスの中で行うのもいいかもしれませんね」 安田さん:「女性って、出産すると産前のようなペースで走ることが難しくなるんです。もっと練習したいのに、なかなか走る時間が取れなかったり。それがもどかしかったりするので、最近はたまに息子と走っています」 早野理事長:「息子さんはおいくつですか?」 安田さん:「6歳なんですけど、今5kmくらい走れるんです」 早野理事長:「すごいですね!」 安田さん:「だから子どもたちに東京マラソンのようなレースを見せて、その景色に感動してほしいなと思います。自分もそこに出たいと思うような、そんな風になったらいいなと。ランナーとしての英才教育じゃないですけど(笑)、走る楽しさは教えていきたいなと思っています」 早野理事長:「分かります。スポーツをやり遂げることで得られる感動とか喜びって、子どもたちに伝えたいですよね。“スポーツを通して、そういったものの価値を教える”ということも、今後は私たちが伝えていけたらと考えています」 安田さん:「そうしたらきっと、走ったりボランティアとして参加する側の人と応援する人、合わせたらかなりの人数に影響を与えられるから、より素敵な世界になるでしょうね」 ランナー、ボランティア、そして応援、東京マラソンへの関わり方は違っても、日本中、世界中からランナーが集まり、盛り上がる東京マラソンはすべての人のもの。それぞれの立場で東京マラソンを楽しもう!