安田美沙子さんと東京マラソン理事長・早野忠昭氏に聞く!変化していく「東京マラソンのこれから」
2024年の東京マラソンの見どころは?
安田さん:「早野さんが理事長に就任されて初となる、今年の東京マラソンの見どころはどんなところですか?」 早野理事長:「今年は注目ポイントがいっぱいありますよ。まず、前世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ選手とシファン・ハッサン選手(Tokyo2020オリンピック女子5000mと1000mの金メダリスト)が出場します。とくにハッサン選手はとても人気で、彼女の走りと話し方、そしてチャーミングさは世界中のファンにはたまらないと思います。そのお二人を呼んでいるので業界は大騒ぎです(笑)」 安田さん:「一般ランナーにとっても、“キプチョゲ選手やハッサン選手と一緒に走ったんだよ”って思い出になりますよね」 早野理事長:「そう思います。またハーフマラソンの日本記録を持つ新谷仁美選手と、男子もMGCファイナルチャレンジとしてパリ五輪を目指す日本選手も多く出場しますし、海外勢では2時間3分台の選手も2人いて、多分東京マラソンの歴史上最もハイペースなレース展開になると思います」 安田さん:「話題の選手や見どころがが多くて中継の人も大変そうですね。応援する側としてもとても楽しみです!」
世界一温かくて優しい大会に
安田さん:「東京マラソンは、世界⼀の⼤会を⽬指していると聞きました。大会づくりで苦労していることはありますか?」 早野理事長:「まずは“世界一って何だろう” “なにをもって世界一なのか”という基準を明確にするところから始めました。東京マラソンには3つの柱があるのですが、その一つ目が安全性。でも実は、日本はすでに安全性に関しては世界一なんです」 安田さん:「すでに安全性は世界一なのですね?!」 早野理事長:「そうなんです。東京マラソンはこれまで、事故で人命が失われたことがありません。これからも一般の方、エリートの方も含めて事故のない“安全で安心な大会の世界一”を目指し、現場の医療チームとも連携をはかっていくつもりです」 安田さん:「安全という意味では、東京という街自体も世界の国の中でも治安の良さはピカイチですものね。二つ目の柱はなんですか?」 早野理事長:「二番目は“世界一エキサイティングな大会”です。エリートレースだけでなく、一般の方もワクワクするような1週間を過ごして欲しいと考えています。例えば、全国各地、世界各地の方が東京マラソンをきっかけに東京に来るということもありますよね。せっかくだからマラソンを走るだけでなく2、3泊して友達に会ったり、東京という街を思い切り楽しんでもらえたらと思います。前日のイベントやエキスポを通じても、みなさんのワクワク感を盛り上げられたらうれしいですね」 安田さん:「確かにそうですよね。皆さん東京マラソンはお祭り感覚で楽しみにされていると思います。東京マラソンウィークは、海外からのゲストも含めてさまざまな人とランニング中に会えたり、気さくに挨拶を交わしたり……そういったモーメントも楽しさのひとつですよね。ここまででも十分に魅力的な大会ではあると思うのですが、最後のひとつはなんですか?」 早野理事長:「はい。最後は、“世界一温かくて優しい大会”です。温かいというのは、人種や性別、年齢、障がいの有無も関係なく、色んな方が参加しやすいという意味での温かさです。ホスピタリティやボランティアなど、あらゆる方を歓迎するスタンスが、我々の目指していくべきところではないかと思います。東京マラソンではこの3本柱のどれをとってもやはり世界一だよね、と言われる大会の実現に向けて動いています」