家賃滞納と「怪しい行動」を繰り返す40代・入居女性…。探偵の素行調査で発覚した“女性の隠された生活の真相”【相続診断士の探偵が解説】
弁護士が提案したのは「探偵の素行調査」
家賃滞納で契約解除をすることは難しいと聞いて落胆している中原さんに、弁護士が提案したのは、探偵社に依頼して、その女性の素行調査を行うことです。素行調査を行い、賃貸契約の禁止条項に該当する行動が発覚すれば、契約違反を理由に退去させることが可能だからです。 弁護士は、中原さんの話を聞いて、その女性は契約に違反する行為をしている可能性が高いと感じました。過去にも似たような事例で、探偵社に依頼して素行調査を行ったところ、3階からゴミを投げ捨てていたことが発覚し、契約違反を理由に退去させることに成功したといいます。 まずは、女性の素行調査を行い、契約違反に該当する行為を行っていないか確認することが、中原さんの希望どおりに女性を退去させるために有効な戦略になると弁護士は判断したのです。
素行調査で明らかに…女性の生活の実態
中原さんから依頼を受けて、女性の素行調査を実施したところ、弁護士の予想どおり、契約違反に該当する行為が発覚しました。 こちらが、素行調査の結果です。 11時36分:マンションの入り口から自宅に入る 13時18分:自宅を出る 13時29分:最寄りの駅から電車に乗る 13時45分:3駅離れた駅で電車を降りる 13時56分:スーパーに入る 14時12分:食料品などを買い、スーパーから出る 14時19分:住宅街の戸建て住宅に入る その後、女性は戸建て住宅から出てくることはありませんでした。 この日の素行調査の結果を中原さんに報告したところ、中原さんはこう話しました。 「もしかするとその戸建てに住んでいて、うちのマンションには別の人が住んでいるのかもしれない。なんとなくそんな気がしていたんです」 そこで、別の日にマンションの部屋の出入りを調査することになりました。 その結果、女性の部屋に、訪問介護員が訪問していたことが発覚したのです。 その後、中原さんは女性に報告書を見せて問いただし、女性はこのマンションとは少し離れた場所にある戸建て住宅で生活し、このマンションには87歳の母親を住ませていたことが明らかになりました。87歳の母親は要介護状態で、その女性は母親の介護のためにほぼ毎日訪問していたのです。 オーナーに無断で契約者と異なる人物を住ませることは、「無断転貸」となり、契約違反に該当します。また、中原さんが所有しているマンションには、スロープや手すりなどが設置されていないため事故につながるリスクもあります。そのことを説明し、中原さんは無事に女性を退去させることができました。 「この女性のように怪しい入居者がいると、部屋の中が荒れ果てているのではないか、他の入居者とトラブルになるのではないかなどと、不安になります。そのような不安が大きなストレスになるので、無事に退去してもらえてほっとしました」
【関連記事】
- なぜ物価の安いエリアに引っ越さないのか―― 東京都港区の貧困層、大都会の片隅で #令和のカネ #令和の親
- 世帯年収1,310万円の30代夫婦、6,000万円の住宅ローン審査に落ちて呆然…銀行員から「こっそり提案されたこと」、その後の顛末【FPが解説】
- 30代長男の死…嫁は「私たちを頼らないでください」と言い残し、孫を連れて海外移住。食堂で働き詰めの高齢母が、涙をこらえて遺した〈まさかの遺言書〉
- 平均手取り「30万円」より悲惨…日本でますます浮き彫りになる「恐ろしい経済格差」
- 夫婦で月39万円もらえるはずが…67歳夫、年金機構から届いた「年金支給停止」の通知に戦慄。トドメに、「妻の年金まで減額」の悲劇【FPが解説】