世界的なボラティリティー急拡大を警戒、円が筆頭-為替トレーダー
(ブルームバーグ): 世界的な通貨のボラティリティー急拡大に備える動きがトレーダーの間で広がっており、来週1週間のドル変動をヘッジするコストが2020年初頭以来の高水準に達している。
オプション市場の織り込みでは、主要10通貨の中でも円を筆頭にノルウェー・クローネやニュージーランド・ドルの大幅変動が特に警戒される。
5日の米大統領選投票日を含む1週間物のオプションが初めて取引されるようになり、荒い値動きに備えるポジションの構築が活発化している。全米世論調査の平均によれば、民主党候補のハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領は依然として互角の争い。
円は来週1週間の値動きが主要10通貨中で最も大きくなるとみられているが、主な要因として日米金利差の変化がある。日本銀行は10月31日の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定。市場では、12月あるいは来年1月の追加利上げが見込まれている。
一方、米金融当局は、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利下げが予想されているが、向こう1年間の利下げ幅については、疑問が残る。
これまでのところ、直近ではドルの強気ポジションが増加。リスクリバーサルは、足元のスポット市場のドル高継続に備えた持ち高の構築を裏付けている。
(バシリス・カラマニス氏はブルームバーグで執筆する為替・金利ストラテジストです。ここに示された分析は同氏自身のものであり、投資助言を意図したものではありません)
原題:Currency Traders Are Positioning for Global Surge in Volatility(抜粋)
--取材協力:Anya Andrianova、Cormac Mullen.
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Vassilis Karamanis