フェラーリ新型「12チリンドリ」を発表前にマラネッロで見た印象とは? 価格は6650万円から「デイトナ」オマージュに見えてもいいじゃない
モダンフェラーリの全てを体現するモデル
インテリアもまたエクステリアに負けずユニークでモダンだった。ローマ、プロサングエとデュアルコクピットスタイルを採用してきたが、ついにそのコンセプトがここに極まったようだ。ほぼシンメトリーなコクーンが2つ並び、デルタウィング形状をしたフローティング風デザインのブリッジがその間を繋いでいる。なるほど、これは“選ばれし者たち”(for the Few)のコクピットであろう。 「12チリンドリ」および「12チリンドリ スパイダー」は、フェラーリ最新のエレガンスとパフォーマンスを両立するモデルとして位置付けられた。要するに「ローマ」や「プロサングエ」といったGTモデルと、「296」や「SF90」といったスポーツモデルのちょうど中間に位置する。モダンフェラーリの全てを体現するという意味においても、そしてもちろんアメリカへと正規輸出の始まった1950年代から続くヘリテージに照らし合わせても、12気筒こそは今なおフェラーリの重要なエッセンスであり、それゆえこのストレートなネーミングになったと言っていい。 クーペのデリバリーは2024年末、スパイダーは2025年初頭からはじまるという。イタリアでの車両本体価格は39万5000ユーロ(邦貨換算約6650万円)からとなっている。
西川 淳