〈セント レジス ホテル 大阪〉の鉄板焼〈和城〉は、フランス料理の技法やエッセンスを利かせた繊細で美しい鉄板焼!
心と身体が少し温まったところで、1品めの“雲丹とカリフラワーのムース”が供される。 カリフラワーのエキスを最大限に抽出したという、至極、滑らかなムースと海の旨みを濃縮したような雲丹、それらをうまくまとめる昆布と干し貝柱のジュレを存分に。 今夜のスターターは、シャンパーニュ“MIGNON-GENTIL(ミニヨン・ジョンティ) ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ”が、華やかさを添える。伺えば、日本での取り扱いがあまりないという、レアもののシャンパーニュ。こういった新たな出合いがあるのも嬉しい。
2品めは、“明石鯛のカルパチョ 柚子のビネグレット”。昆布締めにして旨味を閉じ込めた、兵庫・明石産の真鯛を目の前で美しいひと皿に仕上げてくれる。 柚子に加え、フィンガーライムなどの柑橘が香る、繊細なカルパッチョには、島根の日本酒“王禄 純米大吟醸五〇(ゴーマル)”の生原酒を。50%精米の純米大吟醸。優しい酸、コクと上品な甘さを備え、すっきりとしながらも余韻が長く続く。
3品めは、“赤座海老のソテー ロメスコソースを添えて”。 大きく旨味の強い赤座海老とスパイス香るロメスコソースの料理には、適度なボリューム感、ハーブや柑橘のような香りが漂う。仏・アルザス産の“アキレ クリザリード 2021”を。ピノ・ノワール、リースリング、ピノ・ブラン、ゲヴェルツトラミネールの4種のブドウをブレンドしたビオディナミのワイン。“さなぎ”という名、蝶をデザインしたというエチケットに彼女も感激。
続く4品め、“ずわい蟹をパイケースに詰めて アメリケーヌソース”には、ミズナラ樽で熟成させ、バニラ香が印象的な、皇國晴(みくにはれ)酒造の“ミズナラ樽熟成仕上 大吟醸原酒”を。
メインは“特選牛肉と厳選野菜のエチュベ 2種類のソースで”。この日の厳選牛肉は山口県産のきたうち牛。今夜のコースがスタートした頃から、鉄板で焼いては休ませ、また焼いては寝かせてを繰り返し、適度な火入れ加減で登場する。 まずは、コショウとマルドンの塩で。後は、好みで牛出汁と赤ワインのソースとともに堪能する。ワインはボルドー・シャトージスクールの“オー・メドック・ジスクール1994”を。 この後に、旬のキノコのリゾットとフルーツにもそれぞれ、個性的なペアリングの酒が寄り添い、充実したディナーとなった。アルコールペアリングはペースや好みによって提案を変えてくれる。 ミニャルディーズと京都・和束の無農薬栽培の抹茶を楽しんで、“茶室”を後にした。
●鉄板焼〈和城〉
住所:大阪市中央区本町3-6-12 セント レジス ホテル 大阪12F 営業時間:17:30~22:00(21:00LO) 定休日:火・水曜 ※祝日の場合は営業 TEL:06-6105-5659(10:00~19:00。レストラン予約) ※サービス料込み
取材&文=はまだふくこ