20世紀を代表するテノール歌手、パヴァロッティが得意とした名作オペラ【クラシック今日は何の日?】
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
プッチーニ オペラ『ラ・ボエーム』 クリスマスイブの屋根裏部屋で芽生えた恋に浸る
今日7月30日は、20世紀を代表するテノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティ(1935~2007)が、ロンドンのハイドパークでコンサートを行った日です(1991年)。 ローリングストーンズやクイーンなどのロックコンサートの会場として有名なこのステージで、クラシックコンサートが行われたのは史上初。生憎の大雨にもかかわらず、15万人もの聴衆が集まったコンサートは大成功を収め、『パヴァロッティ ハイドパーク コンサート』としてドキュメンタリー映画にもなった伝説のステージです。 そのパヴァロッティが得意としていたオペラが、『蝶々夫人』『トスカ』と並ぶ、プッチーニの3大名作のひとつ『ラ・ボエーム』でした。 パリのラテン地区を舞台に、芸術家を夢見る貧しい若者たちとお針子の日常生活を描いたアンリ・ミュルジェールの原作に基づくこの作品は、ニューヨークのMET(メトロポリタン歌劇場)が舞台となった1987年の映画『月の輝く夜に』においても、印象的に使われた名作です。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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