エヌビディア日本法人のパートナー企業「ブレインパッド」は地合い味方に復活高へ 生成AI事業での協業も続々
【凄腕アナリスト ザ・覆面】 生成AI(人工知能)向け半導体トップである米エヌビディアの時価総額が前週に3兆ドルを突破。米国市場でスマートフォン大手のアップルを超え、時価総額世界トップの米マイクロソフトをキャッチアップした。 時価総額首位となればニュースとなり、その業績成長の原動力である生成AI関連への関心が、一段と増してくることが期待される。 このエヌビディアが抱えるもう1つの注目点は株式分割だ。エヌビディアの株価は、アップルの時価総額を抜いた現地5日に前日比5%高超と急伸し、1株1200ドル台(日本円で約18万6000円)に乗せたが、1対10の株式分割権利落ちが10日となり、株価水準は従来から10分の1に低下している。 1株当たりの株価水準が下がったことによって広範な資金を再び集める期待があり、日本の投資家の間でも人気が高いエヌビディア株の注目度は、新たな局面に入ってくることになりそうだ。 このことを手掛かりに、東京市場でもエヌビディア関連の人気が再び高まってくる期待がある。エヌビディア関連株は高株価が多いが、エヌビディア日本法人のパートナー企業に認定されている東証プライムの「ブレインパッド」(3655)は、株価水準が1000円台の値頃感が魅力のエヌビディア関連として注目されてくる期待がある。 ブレインパッドは企業の顧客購入履歴などのビッグデータをAIや機械学習を用いて分析し、販促につなげるソリューション開発やデータコンサルティング事業を展開している。データ基盤の構築やデータ活用人材育成も手掛けており、顧客企業にはトヨタやJT(日本たばこ産業)、キリン、りそなグループなど大企業との取り引きで実績を持っている。 昨年には伊藤忠商事と生成AIによる企業の業務変革や新規ビジネス開発支援を行う「生成AI研究ラボ」を共同設立。今年2月にはソフトバンクの法人顧客向けに、データ・AI活用支援コンサルティングサービスを開始した。5月にはADKマーケティング・ソリューションズと協業。ゲーム業界やコンテンツ業界をターゲットに、AI活用の編集・参照業務の効率化支援ツールなどの提供開始を発表と、生成AIビジネスが加速している。 同社はレンジ式の業績利益予想を開示しており、今6月期は売上高105億円(前期比7・2%増)、レンジ上限予想の営業利益は14億円(同2倍)、経常利益14億5000万円(同92・7%増)、当期利益9億4000万円(同82・5%増)を見込んでいる。