イスタンブールを訪れた鈴木亮平

　1月12日、19日（日）放送の『世界遺産』（TBS系　午後6時～6時30分）は、番組ナビゲーターの鈴木亮平がトルコの古都・イスタンブールを訪れる特別編を送る。 【写真】ヘリコプターから街を観察する鈴木亮平 　かつてイスタンブールはコンスタンティノープルと呼ばれ、4世紀から約1000年間「東ローマ帝国」の都だった。今ではイスラム教の国というイメージが強いトルコだが、東ローマ帝国は古代ローマの文明を引き継いだキリスト教国家。前編では、イスタンブールに隠された“キリスト教時代の痕跡”を追う。 そして15世紀になると東ローマ帝国に代わって、イスラムの大国「オスマン帝国」の都となったイスタンブール。後編では鈴木がキリスト教からイスラム教の世界へ時代が大きく動いた当時に想いを馳せ、その痕跡をたどる。 ＜1月12日（日）放送 前編見どころ＞ 　イスタンブールはヨーロッパとアジアにまたがる街。その地理を実感するため、ヘリコプターで上空から古都の映像を捉える。 　イスタンブールの地底には、宮殿のような空間が広がっている。そこは水不足を解消するため、6世紀に造られた貯水槽。なぜか上下逆さまに置かれたギリシア神話の怪物“メドゥサ”の彫刻や、不ぞろいな336本の柱がある。鈴木は「完璧じゃないからこそ、当時の人の人間味が伝わってくる。試行錯誤が見えることが遺跡の好きなところ」と、歴史好きの鈴木ならではの感想を語る。 　東ローマ帝国は別名「ビザンツ帝国」と呼ばれる。旧コーラ修道院の聖堂に残るビザンツ美術の傑作を見た鈴木は、黄金に輝くモザイク画の美しさに感嘆の声を漏らす。 ＜1月19日（日）放送 後編見どころ＞ 　東ローマ帝国の都を守っていた難攻不落の城壁を10万の大軍と大砲で破ったオスマン帝国。鈴木は「城壁や城、要塞を見る際は、必ず攻める側の視点と守る側の視点、両方の視点で眺めるようにしている」という。鈴木ならではの視点で見ることで、当時の攻防戦の様子がリアルに浮かび上がってくる。 　東西交易の要衝として繁栄したイスタンブールは、ヨーロッパ、アジア、アフリカから様々な物と文化がもたらされ、それらが融合した独特の文化が花開いた。鈴木は東洋と西洋がミックスした独特の空間が広がる歴代皇帝の住まい・トプカプ宮殿や、宮廷料理を出すレストランを訪ねる。 　人々が集う祈りの場であるイスラム教の寺院・モスク。そこを核にして都を発展させるのがオスマン帝国の特徴だった。モスクには学校や病院、貧しい人々に食事を施す施設が併設されていた。今回訪ねたのは、その様子がよく分かるスレイマニエ・モスク。オスマン帝国最盛期に建造された巨大モスクと周りの複合施設が残っていることは、イスタンブール歴史地区が世界遺産に登録された理由のひとつだった。 　なお、今回の特別編は、民放公式テレビ配信サービス「TVer」と「TBS FREE」で無料見逃し配信される。 ＜堤慶太プロデューサー　コメント＞ 一番印象深かったのは、鈴木さんがハギア・ソフィア（トルコ語だとアヤ・ソフィア）を訪ねるシーン。ここは東ローマ帝国時代に当時世界最大のキリスト教の聖堂として作られ、その後のオスマン帝国時代はイスラム教のモスクとして使われ、近代のトルコ共和国成立後は政教分離政策で博物館になりました。そのためイスラム教のモスクに付きものの尖塔（ミナレット）がありながら、内部の壁面には幼子のイエスと聖母マリアの聖母子のモザイク画が残っています。キリストとイスラム、ふたつの宗教が交錯するイスタンブールの歴史をまさに象徴する建物です。私が行った2016年は聖母子をそのまま見ることができたのですが、今回訪ねると布で隠されていました。ハギア・ソフィアは2020年に博物館からモスクに戻ったのですが、イスラム教が偶像崇拝を禁じているためです。こうした6世紀から現代にいたるまでのイスタンブールの変転の歴史を目の当たりにできます。他にも長い歴史をもつ街ならではの見どころがたくさんありますので、ぜひご期待ください。 ＜江夏治樹ディレクター　コメント＞ 鈴木さんの屋久島ロケ回もディレクターを担当しましたが、鈴木さんは自然遺産と文化遺産でそれぞれ異なる独特な視点で世界遺産を見ていることに感心しました。今回は特に遺跡に残されたモノから、かつてそこで営まれていた人々の様子を想像し、そして妄想を膨らませ自分なりの物語を生み出し楽しんでいる姿が印象的でした。