『リトル・ワンダーズ』『クラブゼロ』ほか、感性を刺激する独自の世界観が魅力の話題作3選
グルメや読書、スポーツなど、秋といえば様々なモノ・コトを楽しめる季節。10月も終盤に差し掛かり、映画祭など気になる催しも続々と開催される中、今回は“カルチャーの秋”に先取りしたい、観る者の感性を刺激する話題作から3作品を紹介する。 【画像】カルチャー感度の高い映画ファン必見 『リトル・ワンダーズ』10月25日(金)公開 16mmフィルム撮影のレトロフューチャーな世界観! ワクワクがとまらないネオ・アドベンチャー 悪ガキ3人組“不死身のワニ団”、アリス(フィービー・フェロ)、ヘイゼル(チャーリー・ストーバー)、ジョディ(スカイラー・ピーターズ)は、ある日、ママの大好きなブルーベリーパイを作るために必要な卵を謎の男(チャールズ・ハルフォード)に横取りされる。奪い返すために男を追いかけた3人は、魔女(リオ・ティプトン)率いる謎の集団“魔法の剣一味”に遭遇、怪しい企みに巻き込まれてしまう。 森で出会った、魔女の娘ペタル(ローレライ・モート)を仲間に、悪い大人に立ち向かう4人…果たして、こどもたちの運命は? 無事にパイを手に入れ、ゲームをプレイできるのか!? 『グーニーズ』や『スパイキッズ』を彷彿とさせる『リトル・ワンダーズ』は、第76回カンヌ国際映画祭監督週間とカメラ・ドール部門に選出されるなど、各国の映画祭で高い評価を得た冒険物語。 サングラスをかけてバイクを走らせる少年・少女が、卵を奪い返すためだけに森へ冒険に出かけ魔女に出会うなど、現実からかけ離れたストーリーが、大人も童心に帰ってワクワクが止まらないはず! 16mmフィルムを活用した撮影や美術によって表現された“レトロフューチャーな世界観”にぜひ注目を。 『クラブゼロ』12月6日(金)公開 健康的で幸福度もアップする「意識的な食事」は、“ハマるとヤバい”… ビタミンカラーのポップな世界観×恐ろしい光景のギャップに惹き込まれる 名門校に赴任してきた栄養学の教師、ノヴァク(ミア・ワシコウスカ)は“意識的な食事/conscious eating”という、「少食は健康的であり、社会の束縛から自分を解放することができる」という食事法を生徒たちに教える。 彼女の教えにのめり込んでいく、無垢な生徒たち。両親たちが異変に気づきはじめたころには時すでに遅く、生徒たちはノヴァクとともに【クラブゼロ】と呼ばれる謎のクラブに参加することになる――。生徒たちが最後に選択する、究極の健康法とは? そしてノヴァクの目的とは? 『クラブゼロ』で栄養学の教師ノヴァクを演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』を筆頭にハリウッド大作から個性派監督の作品まで幅広く出演し、多彩な才能を発揮する演技派、ミア・ワシコウスカ。 ノヴァクが教える「意識的な食事」を熱心に実践する生徒たちは、次第に彼女に心酔し、後戻りできないところまで進んでいく――。 そんな“ヤバい光景”とは裏腹に映し出される、ビタミンカラーが目を惹く生徒たちのキュートな制服をはじめ、色鮮やかな衣装やセットなど、思わず目を奪われるポップな世界観も見どころの1つ。 “攻めた”作風で物議を醸してきた気鋭監督ジェシカ・ハウスナーが独自の世界観で放つ、一度ハマったら抜け出せない、中毒性と没入感あふれる作品となっている。 『ペパーミントソーダ 4K修復版』12月13日(金)公開 フランスで300万人を動員した、1977年の大ヒット作が日本初公開! 60年代を過ごした監督自身の少女時代の体験を基に作り上げた名作 『ペパーミントソーダ』は、フランスの女子校に通う思春期の姉妹が、社会変革の時代に次々と起こる「初めて」の出来事を経験する1年を描く物語。 1963年のパリを舞台に、両親が離婚して母親と暮らす13歳の妹アンヌ(エレオノール・クラーワイン)と15歳の姉フレデリック(オディール・ミシェル)は、厳格な女子校リセ・ジュール・フェリー校に通っている。 そこに通う生徒たちの友情やいざこざ、教師たちの醜悪な実態、親たちの苦悩や愛情といった日常風景をコミカルかつ瑞々しいタッチで描く本作。 タイトルは、妹がカフェで飲む大人向けの炭酸飲料「ペパーミントソーダ」を指している。多感な十代の少女たちの日常を、1年という時間の中で丁寧に描くことで、60年代のパリへタイムスリップしたような感覚に。そんなノスタルジックな世界観にひたることができそうだ。 『クラブゼロ』© COOP99, CLUB ZERO LTD., ESSENTIAL FILMS, PARISIENNE DE PRODUCTION, PALOMA PRODUCTIONS, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, ARTE FRANCE CINÉMA 2023
シネマカフェ シネマカフェ編集部