「また血だらけ…」貞子ではヌードも挑戦したホラークイーン・佐伯日菜子「次第に自分の顔が嫌になり」
でも事務所の社長が「これは絶対にやった方がいい。コミカルな部分もいっぱいあるし、堤幸彦さんの作品だからきっと面白くなるよ」って背中を押してくれて。それを聞いても自分としては大変失礼なのですが、あまり気は進みませんでした。 ── 実際に現場に行ってみていかがでしたか? 佐伯さん:私の出演した回は『モテキ』の大根仁さんが監督だったんですが、大根監督が暗い雰囲気のなかでもクスッと笑えるアイデアをたくさん出してくださったんです、こんなのもいい、あんなのもいいって。同じような役柄でもこんな引き出しが自分にもあるんだ!という発見が嬉しかったです。本当に楽しくて時間があっという間に過ぎました。
しかもそれを機に街でも「トリック見ました」って、気軽に声をかけていただく機会も増え、私にとって『TRICK』への出演は高いハードルだったんですが、勇気を出して本当によかったです。なんか、当時のことを改めて思い出すと少しエモーショナルな気持ちになっちゃいますね。 PROFILE 佐伯日菜子 1977年生まれ。17歳のときに、映画『毎日が夏休み』で主演デビュー。同作品で、『第18回日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞。映画『らせん』で山村貞子役を演じ、その後はホラー漫画家・伊藤潤二の原作を映画化した『うずまき』などに出演し、 “ホラー・クイーン”としてJホラーブームを牽引した。
取材・文/平岡真汐 写真提供/佐伯日菜子
平岡真汐