プロが選ぶ「声が良い」男性アイドルNo.1は?(3)素晴らしい…専門家を唸らせる王子様ボイスの持ち主は?
男性は目で恋をし、女性は耳で恋をする―。英国の作家ウッドロー・ワイアットが遺した格言だ。この言葉の真偽は分からないが、“いい声”がアイドルにとって重要な資質であることは間違いないだろう。そこで今回は声の専門家に「最高のイケボを持つ男性アイドル」について伺った。第3回。※事前に編集部が選出した30名の中から5名選出していただきました。第3回。(取材・文:編集部)
堂本光一(KinKi Kids)
―――続いてご紹介頂くのは、KinKi Kidsの堂本光一さんです。 「堂本さんは、クセはないけれど聞きやすくて、よく通る声をされていますね。松たか子さんに近い声質で、ミュージカルの経験をたくさん積まれているのかな、と思いました」 ―――ご名答ですね。堂本さんは、2000年から2024年まで、帝国劇場で『Endless SHOCK』というミュージカルに出演されていました。 「24年はすごいですね。24年間サボらずにトレーニングを続けてこられた蓄積が、声にもはっきり出ていると思います」 ―――ちなみに、ライブとミュージカルでは声の出し方に違いはあるのでしょうか。 「全く違います。一番大きな違いは、役になりきって声を出すかどうかですね。ライブはあくまでアーティストの自己表現の声ですが、ミュージカルは役を表現するための声なので、周囲の役者との兼ね合いで計算しなければならない。 加えて、ライブの場合はいくらでもマイクの音量を上げられますが、ミュージカルの場合はマイクが舞台の中央に固定されている場合が多いので、地声を遠くまで届かせないといけない。ミュージカルの方がごまかしがきかないんですね」 ―――と考えると、ミュージカル俳優さんは本当に優れた技術をお持ちなんですね。 「そうですね。舞台経験が豊富な俳優さんって、歳を取っても声が衰えないので、芸能界全体を見ても生き残っている方が多いように思います」 ―――ちなみに堂本さんは、映像メディアへの出演はそこまで多くないですが、仮にドラマや映画に出演されるとしたら、どのようなジャンルが似合うと思いますか。 「時代劇やファンタジーですかね。元々声のレンジが広いので非現実的な役が似合うと思います」 ―――確かにこれまでの出演作を見渡してみても、『スシ王子!』(2007、テレビ朝日系)の主人公・米寿司役や、『陰陽師』(2015、テレビ朝日系)の源博雅役など、どこか浮世離れした役が多いように思います。 「そうですね。現実的な役でも、喫茶店のマスターや占い師、ダンサーといった感情移入しにくい役が似合う印象ですね。 王子様っぽい声ということでは、『必殺仕事人』(2007~、テレビ朝日系)に出演されていた東山紀之さんにも似ているかもしれません」 【日本美声チューニング協会 三浦人美会長 プロフィール】 発声解剖学をベースにした声を出しやすい身体に整える美声チューニング®を提唱。20代はバンドのボーカルとして芸能事務所へ所属。年間300本のライブをこなし歌い続けた経験の中で発声・姿勢・呼吸等、身体のアプローチから声を変えていく手法を実践。バンド活動の終了後は、講師として稼働をスタート。人前で声を扱うことが多い企業代表や芸能事務所所属のアーティストレッスンまで延べ3,000人以上の方を指導する。
編集部