「日経平均4万円」は10年前から見えていた…メディアから“無視され続けた”専門家が「日経平均は年内に5万円」と予想するこれだけの理由
世の中にいる“経済の識者たち”の予想が当たらないワケ
世の中の専門家や多くの知恵者の予想がなかなか当たらないのは、当てるための段取りを踏んでいないからです。予測するために必要なことは、何故こうなったのかの原因を探る謎解きです。何が理由でこうなったのかという因果関連が分かれば、今こういう原因があるから将来こうなるということも予想できます。 現在は過去の結果ですが、現在が原因となって将来が形作られるのです。この流れのなかですべてを考えれば、将来予想の的中度は大きく高まるはずです。 検証をしているうちに、だいぶ前から経済学の理論だけでは把握できない現象に気づきました。それが、地政学が経済に与える影響です。 日本が戦後大復活したのも、“Japan as Number1”の座から転落したのも、このところの円安も、はたまた日経平均株価が史上最高値を更新し4万円を超えたのも、すべてこの「地政学」が影響しています。 具体的にいうと、米中対立に直面して、アメリカが日本を“強い味方”にするという戦略を明確化させたからです。「地政学」というのは、長い歴史に裏付けされた人間と国家の思惑の解析です。つまり古今東西、政治のメカニズムと経済のダイナミズムとは切っても切り離せない関係です。地政学が原因となって新しい経済のパラダイムが作られていくのです。 そうしたパラダイム変転の際には、安定している仕組みのなかに反対物が生まれ不安定化し、この対立物が統一される(止揚される)ことで新たな枠組ができるという、弁証法の考え方が不可欠です。
バブル崩壊と長い経済停滞を克服した日本…強さの源は
将来を作る種は細部に宿ります。変化は大局からではなく、個別具体的事柄からおこり始めます。マクロだけを見ていては変化を見落とすことになります。 一番大事な細部は、企業における価値創造です。企業が価値を作れなければ、給料も払えず投資もできず、経済は前に進みません。経済が興隆するときも衰弱するときもまず企業の価値創造が健全かどうかが決め手になります。 大谷のメンタリティは「日本人」がもたらしたもの また、私たちは歴史上の最も偉大な選手、超一流の投手であり超一流の打者を兼ね備えた大谷選手を目の当たりにしています。そして、これほどの偉大な人物がなぜ日本に生まれたのかも、有益な洞察です。 体力、素材としてはもっと恵まれている人がいるはずのアメリカではなく、なぜ日本に? 金銭にも世間の評判や名声にも目もくれず、ひたすら野球という職業の完遂を求める精神は、日本人がもたらしたものと思われてなりません。 そして大谷選手と同様のメンタリティをもった日本人の若き職業人は沢山います。今は日本の研究費が削減され、研究開発で米国や中国の後塵を拝していても、日本人の職業倫理、エートス(生活態度)が世界一級であることは、誰しも認めるところです。 鉄道時間の正確さ然り、落とし物を警察に届ける律義さ然り、チーム優先で我を抑える謙譲の精神然り、この精神があるからこそ歴史的バブル崩壊と異常に長い経済停滞の下でも、日本企業は地道なビジネスモデル転換がなしえたのだと思います。