維新幹事長がみる自民総裁選&立憲代表選の注目ポイントは?
実業家が政治の世界でも活躍するには?
ここまで、藤田氏が、自身の経営者としての経験を政党運営に「転用」してきた話を伺いました。 ところで、実業家出身の元政治家にはさまざまな方がいらっしゃいます。「企業のトップの方が、政党の一員として働く難しさがあるのでは?」というMC伊藤の疑問に、藤田氏はこう答えます。 藤田氏「名前が挙げられている皆さんは超一流の経営者で、自分は足元にも及びません。逆にその理想と経営におけるスピード感が政治と多分、あまりに違いすぎて、歯がゆかっただろうし面白くもなかったかもしれませんね」 政治には両輪が必要だと語る藤田氏。 藤田氏「ひとつは、橋下さんとかが大事にされていた突破力、発信力、エネルギーをどんとまっすぐ出すやりかたで、もうひとつは調整し交渉し説得していくやり方」 利害関係者が多い世界なので、損する政策を打ち出すこともある中で、どう理解を求め、むしろどう仲間にしていくかを丁寧にやっていくか、という後者のアプローチは、経営にはない要素もたくさんあると藤田氏は説明します。 藤田氏「そういう意味で、大経営者が政界に来たら『なんと不合理で非効率な世界だ』と失望することは多いと思います」 MC伊藤「経営の第一人者が政界に入って切り開ける可能性は?」 優秀な経営トップの時代をつかむ力や切り開くエネルギーを政界にも取り入れないと、政界が「すごく硬直した世界観に成り下がるのではないかという危機感がある」と懸念する藤田氏は、経営実務を担っている人、とくに若い人も含めて、どんどん活躍できる政界の構造を目指さなければならないと熱を込めます。 藤田氏「自分は維新の会の幹事長だから、維新の会がそうならないように、より優秀な人がどんどん入り、組織も現代の伸びていく会社組織に近いスピード感で動かせるように作りたい」
自民党総裁選・立憲民主党代表選をどう見る?
最後の質問は、この秋に行われる自民党の総裁選と立憲民主党の代表選についてです。 まずは自民党総裁選。総裁になった時に戦いづらい人はいるか?という質問に、小泉進次郎氏、小林鷹之氏を挙げ、「年も近いし懇意にさせていただいている。きわめて優秀なかたがた」とコメントします。 藤田氏「自民党って古いよね、老人支配的な、大企業病的な批判のされ方がするし、そういう側面はあると思う。でも、自民党で、同年代が本当にリーダーになったら、相当前例にない新しいこと。なしえたらすごいなあと思う」 日本維新の会は「引退した松井さんでも『アラ還』、中央政界では若いほう」です。 藤田氏「維新では僕たちの世代をどんどん前に出してくれます。我々には若さという強さがまだあると思う。そういう意味で、(自民党の)このふたりは期待する反面、脅威でもあります」 自民党の人材の層の厚さもアピールポイントとなりうると、論戦を戦わせる総裁選自体が脅威と語る藤田氏は、「自分たちの強さをもう一度蓄えていきたい」と表情を引き締めます。 今回、総裁選から衆院選へという流れが予想されます。リーダーが代わった場合の戦いかたとして、どうなると戦いやすいでしょうか? 「戦いやすいかどうかで考えていなかった」と小考する藤田氏ですが、現状の自民党がどこまで改革志向を示せるかがポイントだと指摘します。 藤田氏「多くの自民党議員は、こんな小さなお金の話でなんで俺たちここまで言われなきゃいけないの、と物事を小さく捉えているかもしれないが、そういうところにやっぱり組織の悪いところが出る」 藤田氏「実際に信頼を失っていくんだよということを本気で受け止めて、もう一度政治改革のはなしを大きくやりましょうよという人が出てきたら、カウンタパートナーとしてはとても楽しみだし、日本の政治としてはそうあるべきです」 政治改革は総裁選の論点にあるべき?という問いに対しては、「政党をきちっとマネジメントできなければ国家をマネジメントできない」とサラッと返します。 藤田氏「自民党はできあがっているけれど悪いところが噴出している。悪いところを変えていける人が日本の政治には必要。僕が自民党員で総裁選に出るならば、政治改革をビッグアジェンダとして入れる」