<ボクシング>内山と三浦に世界統一戦の夢カード
大晦日に開催されるWBA、WBC世界スーパーフェザー級のダブル世界戦(東京・大田区総合体育館)の調印式並びに記者会見が29日、都内のホテルで行われた。これが8度目の防衛戦となるWBA世界同級王者の内山高志(ワタナベ)は、カメラのリクエストもあって世界初挑戦となる前日本同級王者の金子大樹(横浜光)と数センチの距離で睨み合い。 「人生がかかっている。そのためにも、こいつを蹴落とすんだという気持ちになった。KOになるか判定になるかわからないけれど、勝ちにこだわる試合をしたい。お互い距離が合っているので面白い試合にはなると思う」 内山が気合十分に話をすれば、若き挑戦者の金子も「僕も同じ気持ち。やってみなければわからないけれど、どんな戦いになってもいいように想定していて不安はない。打ち合いになると思う」と鋭い目をして言った。 WBC世界同級王者の三浦隆司(帝拳)は、これが2度目の防衛戦。挑戦者の同級2位、ダンテ・ハルドン(メキシコ)が「試合は戦争になる」と、通訳を通じてコメントすると、三浦は「戦争とは思っていない。12ラウンドはいらない。自分が圧倒的な爆弾を仕掛ける」と過激に応戦した。 内山、三浦の両世界王者には、この先、統一戦という夢カードで拳を交える可能性がある。それぞれが指名試合を抱えているため、今回の防衛に成功後、もう1試合防衛しなければならないという条件付きではあるが、この日、帝拳プロモーションの本田明彦・代表は「次もお互いに指名試合を勝たねばならないが、その条件が揃えば統一戦を100%やる」と断言した。 今回の試合でのダメージなども考慮しなければならないので、具体的な計画は立てにくいが、タイミングが合えば、次の指名防衛戦も“統一前哨戦”として合同で開催し、早ければ2014年の秋にもWBA、WBCの統一戦が日本で開催されることになる。 先だって行われたWBA、IBFの世界スーパーフライ級の統一戦は、WBA王者のリボリオ・ソリス(ベネズエラ)が計量に失敗したことで試合前に王座を剥奪。あげくの果てに試合に敗れた亀田大毅(亀田)がIBF王座を防衛するという騒動に発展して事実上、統一戦とは呼べない試合になったが、内山、三浦のカードで、統一戦が実現すれば、WBA、WBC世界ミニマム級王座の統一を争った井岡一翔(井岡)vs八重樫東(大橋)以来の「一番強い選手を決める」好カードとなる。 両者は2011年1月に三浦が挑戦者として対戦経験がある。試合は、三浦が一度はダウンを奪う白熱の展開となったが、結局、逆転TKOで内山が勝利をつかんだ。