いよいよフル代表デビューの18歳・久保建英が史上最年少代表ゴール記録に無関心の理由
1日の大分トリニータとの明治安田生命J1リーグ第14節で叩き込んだ2ゴールを引っさげて、合宿が行われる愛知県内に入った。試合翌日の2日はランニングを中心とした別メニュー調整で終えたが、本格的な戦術練習がスタートした3日からは既存の選手たちとともにボールを追っている。 「やっぱりゲーム形式の練習とかではみんな面白いプレーをしているというか、動きがすごく速いという感じですね」 練習中に何度も「ああっ」と思う感覚を楽しんでいる、と久保は明かした。Jリーグの舞台ではなかなか感じられない、ちょっとしたカルチャーショックと言ったところか。主戦場とする2列目の選手たちから、どのような感銘を受けたのだろうか。 「みんなまったく違うタイプですけど、強いて言うならば前目の選手はみんな常にゴールを狙っている感じです。ちょっと不利なところでもやや強引に、というのがあって。海外ってこうなのかな、やっぱり文化の違いなのかな、という感じですね」 昨年9月に船出した森保ジャパンでは昨夏のワールドカップ・ロシア大会には招集されなかった2列目の3人、左から中島翔哉(アルドゥハイルSC)、南野拓実(ザルツブルク)、東京五輪世代でもある堂安律(FCフローニンゲン)が瞬く間に象徴と化した。 ボールをもったら何よりもまず個の力で仕掛ける。やや遠目からでも積極果敢に相手ゴールを狙って足を振り抜く。シュートを放たなければ何も始まらない、という攻撃的な意識が共有され、ロシア大会組の原口元気(ハノーファー96)、今年2月からヨーロッパ組となった伊東純也(KRCヘンク)にも伝わっているのだろう。 久保自身もFC東京では2列目の右サイドを主戦場としながら、シュートにも強いこだわりを抱いてきた。リーグ戦初ゴールこそ5月12日のジュビロ磐田戦まで待たなければいけなかったが、それまでにもゴールバーやゴールポストを叩いた一撃が何度もあった。 FC東京を率いる長谷川健太監督をして「シュートの技術は非常に高い」と賞賛させてきたが、未知だったフル代表の世界でゴールに対する積極性、あるいは結果を残すことへの貪欲さを目の当たりにした。 その海外組の背中が久保に刺激を与え、新たな化学反応を起こす触媒となるかもしれない。 「自分も(積極性が)なくはないので。なかったら何も感じないと思うので、という感じですね」