「2度と繰り返してはいけない」専門家が分析"裁判官からのメッセージ" 「袴田事件」逆転無罪の影響大きく 検察の控訴に焦点も真相はどこに
静岡放送
いわゆる「袴田事件」で死刑が確定していた袴田巖さんの再審=やり直しの裁判で2024年9月26日、静岡地裁は無罪判決を言い渡しました。 専門家はこの判決が袴田事件にとどまらず今後の捜査のあり方や再発防止にも影響を与えると指摘します。 【写真を見る】「2度と繰り返してはいけない」専門家が分析"裁判官からのメッセージ" 「袴田事件」逆転無罪の影響大きく 検察の控訴に焦点も真相はどこに <袴田さんの姉 ひで子さん> 「あった。袴田さん再審無罪。証拠3つのねつ造。ね。こっちの新聞も」 各社の一面を飾る自分たちの記事。 9月27日朝、ひで子さんは巖さんに新聞を見せ9月26日の判決を姉弟で振り返りました。 <袴田さんの姉 ひで子さん> 「返事はしないですが、なんとなく表情がちょっと明るくなりました。ちょっと紅潮したような表情でね。たぶん、わかっているのかな」 <井手春希アナウンサー> 「袴田巌さんに無罪判決という旗が出ました。ついに悲願が実る判決が出ました」 58年前、旧清水市で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」。再審=やり直しの裁判で9月26日、袴田巖さんに無罪が言い渡されました。 <電話> 「無罪出ましたよ」 <島内和子さん> 「あ~よかった」 福岡県にも、袴田さんの無罪を信じ続けていた人がいます。島内和子さん。4年前に亡くなったパートナーの熊本典道さんは、1968年、一審・静岡地裁で袴田巖さんに死刑判決を下した3人の裁判官の1人でした。 <熊本典道 元裁判官(故人)> 「『あれは絶対ぼくはこう(無罪だと)思いますよ』と(裁判長に)かなり説得を試みました。だけど、最後結論として(裁判長の)石見さんが無罪に踏み切れなかったんですよね」 熊本さんは死刑判決から40年の時を経て、「本当は無罪だと思っていたが、多数決により、仕方なく死刑の判決文を書いた」と公の場で告白しました。亡くなる前まで「判決を書いたから自分が悪い。袴田さんに申し訳ない」と悔やみ続けてきました。 <島田さんが熊本さんに報告> 「無罪、になりましたよ。袴田さん。よかったですね。今からゆっくり休まれてください。天国で跳んで喜んでいると思います。毎日かなり苦しんではったからですね」