「2度と繰り返してはいけない」専門家が分析"裁判官からのメッセージ" 「袴田事件」逆転無罪の影響大きく 検察の控訴に焦点も真相はどこに
裁判では、事件から1年2か月後に現場近くのみそタンクから見つかった「5点の衣類」など、3つの証拠について「捜査機関のねつ造」と言及。判決文を精査した専門家は「ねつ造の認定に踏み込んだことは画期的」と話します。 <元裁判官 西愛礼弁護士> 「やっぱりねつ造みたいな不正行為というのはきちんとこういう形で指摘されないと、また将来同じようなことが起こってしまう。将来の違法捜査抑制の観点からも、こういう風に司法は毅然とした態度を示すというのがすごく意味があることで、やはりそこも踏まえて今回の裁判官のメッセージというか、思いというのはもう2度とこういうのを出してはいけないんだと、繰り返しちゃいけないんだという、そこに強い思いがあるというふうに感じます」 一方で、4人が亡くなった事件の真相は過去に取り残されたままです。 <近隣住民> 「しょうがないね。袴田さんも頑張っただろうから。事実は分からないけど、みんな(袴田さんが犯人だと)思っていたからね」 <近隣住民> 「警察が信じられない。何で警察が(捏造を)初めからしたのかなって思う」 9月27日の県議会では議員が県警の本部長に対し、無罪判決についてのコメントを求めました。 <静岡県警 津田隆好本部長> 「これにつきましては、議員ご指摘の通り、未だ判決が確定していないことからお答えを差し控えさせていただきます」 <デモ行進> 「袴田さんは無実だ。これ以上、袴田さんを傷つけるな」 今後注目されるのが検察が控訴をするのかどうか。無罪判決を受けて控訴断念を要請する動きは活発になっていて、袴田さんの弁護士らも静岡地検に申し入れをしました。 控訴について静岡地検は「上級庁と協議した上で対応したい」としています。 <袴田さんの姉 ひで子さん> 「長かったけどさ、裁判は。無罪ですって裁判長さんが言った。だからもう裁判所も行かない。安心しなよ。よかったね」 58年続く事件の歴史に決着がつくのか。控訴期限は10月10日です。
静岡放送