衆院選が公示 「裏金」争点、まず謝罪/埼玉県内の選挙区の動き
私たちの未来を誰に託すのか。衆院選が15日公示され、各党党首らは支持を訴えた。自民党派閥による裏金事件を大きな争点の一つに、12日間にわたる選挙戦の号砲が鳴った。県内の選挙区でも、裏金問題に関係した前議員4人が第一声で「政治不信を招き申し訳ありません」「心からおわびする」と謝罪し、支持者に向かって深々と頭を下げた。物価高対策、子育て支援策など課題は山積。有権者は貴重な1票を投じるため、候補者の言葉に耳を傾けた。 政治の信頼回復なるか 衆院選公示 埼玉16小選挙区に66人立候補 女性候補は倍増の17人
■非公認前職ら計4人/6区 自民党派閥の裏金問題で、非公認となった前職、立民の前職のほか、維新と共産の新人の計4人が出馬した。 中根一幸氏(55)は、裏金事件で自民から公認されず、無所属で立候補した。午前10時からJR上尾駅東口で開いた出陣式には、自転車で到着。「政治不信を招き、申し訳ありません。もう一度だけ、チャンスを与えてください」と出直しを誓った。 維新の細谷美恵子氏(64)は午後5時前から、JR鴻巣駅東口で街頭活動に臨んだ。自民の裏金事件に触れ、「クリーンな人でなければ上に立ってはいけない」と対立候補を批判した。 立民の大島敦氏(67)は、出身地のJR北本駅西口で午後3時から出陣式を行った。「日本は力を出し切れば、住みやすい国にできる。次の時代をつくるため働きたい」と支持を呼びかけた。 共産の秋山もえ氏(48)は午前11時から、JR上尾駅西口で第一声。中根氏を念頭に、「裏金議員は当選させられない」と訴え、「自民政治が続く限り暮らしは良くならない」と変革を求めた。
■前職に新人3人挑む/8区 自民党派閥の裏金問題で重複立候補を認められなかった前職に、維新、共産、立民の新人3人が挑む。 8選を目指す自民の柴山昌彦氏(58)は西武所沢駅前で出発式を行った。演説の冒頭、政治資金の不記載問題について、「ご迷惑とご心配をおかけしたことをおわびする。(党内の)改革に全力を尽くす」と謝罪し、深々と一礼。「今回の選挙は政権をどこに委ねるかを決める選挙」と訴えた。 立民の市来伴子氏(47)は午後4時半ごろ、東武東上線ふじみ野駅前で「政権交代がないから利権(政治)や癒着が起きる」と支持を求めた。同党幹事長の小川淳也前衆院議員も駆け付け、「私たちの手で政治改革を断行させてほしい」と呼びかけた。 維新の市野一馬氏(40)は、午前10時半に東武東上線上福岡駅で行った出陣式では、用意したチラシが次々と通行人の手に渡り、開始直後に約50部全てを配り終えた。 共産の平井明美氏(80)は、午前11時から所沢駅西口で第一声のマイクを握り、「今回の選挙は政治とカネが争点」と強調した。