選手によっては死活問題… 松山英樹、久常涼らが戦う米PGAツアー、厳しさが増す可能性 それでも日本勢の活躍を見たい【武川玲子コラム】
松山英樹、久常涼らが戦う米PGAツアー。その出場人数が2026年から大きく減少するかもしれない。現在のフルフィールド大会は156人、もしくは144人だが、これが120人ほどにサイズダウン。そうなるとシード選手の数も減少することになるから、選手によっては死活問題。 PGAツアーの「フルシード権」は1983年以来ずっと上位125位(現在は年間ポイント、以前は賞金ランキング)だったが、これが100位と大幅ダウン。また下部ツアーから昇格するのは現在30人だが、これが20人へと変更される案で協議が進められている。11月の選手理事会で承認されると26年から実施される。 昨年、欧州ツアーからPGAツアーの出場権を得た久常はPGAツアーのフォールシリーズで来季の出場権を確実なものにするため奮闘中。現在ポイント88位で残り5試合だから125位は安全圏だが、これが100位となると結構しびれる戦いとなるのかもしれない。一方、今季の下部ツアーをポイント25位で終えた大西魁斗は見事に来季のPGAツアーへ昇格。が、1年遅ければ届かなかったかもしれない。 縮小される理由は出場人数が多いことで、日没や悪天候の影響で予選ラウンドが金曜日に終えられないことが頻繁に起こっていること。選手数を減らすことで、よりトップ選手の戦いが見られるという。 一方でフルフィールド大会の人数を減らす代わりに、現在上位の70~80人だけが出場できる高額、高ポイントのシグネチャー・イベントの枠を増やすという案も上がっているが、こちらは慎重な声が多い。 今季、欧州ツアーを戦う星野陸也は上位10人が得る来季の米PGAツアー出場権で、現在7位と圏内でこちらも奮闘中。二極化がどんどんと進む中、それでも下部からはい上がるチャンスはまだまだある。 先週開催された新規大会のブラックデザート選手権(13日終了)では下部ツアーから昇格したばかりのマット・マッカーティー(米国)が勝利、来年のマスターズ出場権も手にした。ますます厳しくなるPGAツアーだが、それでも松山に続く日本勢の活躍に期待したい。(全米ゴルフ記者協会会員)
中日スポーツ