準備ができた人から打っていけば時短になる

　ゴルフの打順は、前のホールで最もスコアが良かった人が次のホールで最初にティーショット。2打目以降はパッティングも含めて、カップまでの距離が遠い人から順番に打っていくというのが慣例でした。 【写真】意外と分かってない？ これが同伴者が打つときに「立っていい場所」と「ダメな場所」です

ラウンドの「時短」はゴルファーの大きな課題　写真：PIXTA

　そうした従来の打順は「遠球先打」と呼ばれていますが、最近では打順に関する考え方が少しずつ変わってきているのをご存じでしょうか。 　現在推奨されているプレースタイルは「レディーゴルフ」と呼ばれているようですが、一体どのようなものなのでしょう。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏（株式会社TPC代表取締役社長）は、以下のように話します。 「レディーゴルフは、2019年に行われた大幅なルール改正に合わせて本格的に提唱されたプレー方法で、ラウンド時間を短縮するために作られました。『レディー』は『準備』を意味する“ready”を指し、準備ができた人からどんどん打っていきましょうという考え方です」 「従来の『遠球先打』には、誰から先に打てばいいかが分かりやすいというメリットがあります。一方、最初にティーショットを打つ人が準備に手間取ったり、カップから最も遠い人のボールを全員で探したりする状況になると、全体の進行が遅れてしまうことがありました」 「『スコアの良かった順にティーショットを打つ』『カップから遠い順に打つ』などの決まりにこだわり過ぎていると、スロープレーとなって後続組に迷惑をかけてしまう恐れがあります」 「そこで、そのような状況になったらケースバイケースで打順を柔軟に変え、スタンバイが済んだ人から打ってプレーファストを目指すために定められました」 　R＆A（英国ゴルフ協会）によると4人1組で回った場合、一人ひとりが各ショットにかける時間を5秒短くすれば、1ラウンドに要する時間を25分ほど短縮できる見込みがあるそうです。 　しかし飯島氏は、「日本ではルールに厳格な人が多いせいか、まだレディーゴルフが浸透しているとは感じられない」とも話します。