SASUKEアイドル予選会で優勝・SKE48の伊藤実希ってどんな子?アイドル兼アスリートを目指して
運命が決まる最終種目はSASUKEタイムレース
運命が決まる最終種目はSASUKEタイムレース。最後に「そり立つ壁」が待っている、SASUKE本選を模した競技だ。これを伊藤は3位で終え、結果を待つばかりとなる。 メンバーが一列に並び、総合順位が3位から読み上げられる。3位でも2位でも名前は呼ばれない。伊藤の名前が呼ばれたのは、1位としてだった。伊藤はこれ以上ないほど目を丸くして驚き、自身の応援団に向かって拳を上げた。 伊藤「2位で呼ばれなかったとき、4位だったらどうしようと不安だったんですけど、1位としてトロフィーももらえて、ほんとに1位になったんだなって」 総合力に長けていた伊藤は1位に輝いた。この上なくうれしいはずなのに、どこかふわふわしていた。 伊藤実希は愛知県の出身の22歳。地元のSKE48に加入したのは2019年。高校2年のときだった。SKE48を受けるくらいだから、アイドルは好きだった。 バスケットボールと陸上を経験してきた体育会系だった。身長は164㎝。長身と運動能力を活かして、精力的に活動していく予定だった。 しかし、活動を始めるとほぼ同時に世の中はコロナ禍に突入。ステージに満足に立てない日々が続いた。コロナ禍が明けて活動が再開されたまではよかったが、圧倒的に先を走る同期がいた。伊藤はアイドルとして悔しさを味わった。 伊藤は、このSASUKEアイドル予選会への出場が決まった日からずっと燃えていた。「1位じゃなきゃ意味ないし、1位じゃなきゃ嫌だった」。結果が知れ渡った翌日の配信でそう語った。大会終了直後にはこんな本音を吐露している。 伊藤「始まる前は優勝するぞっていう気持ちではいたんですけど、ほんとに優勝できるかわかんなくて。いい結果が残せていなかったので、正直ダメなんじゃないかと思ってたんですけど、自分の負けず嫌いさが最後の最後に前面に出て、負けず嫌いさがこの結果につながったのかなと思います」 負けず嫌い。伊藤が自身を表すキーワードとしてよく使う言葉だ。スポーツをやってきたからだろう、負けたくないのだ。 伊藤「シャトルランは本気で1位を獲れると思ってたので。そこで落とした瞬間、本気で落ち込んで、悔しい気持ちでいっぱいでした」 総合優勝はしたものの、いずれかの種目で1位に輝くことはできなかった。この事実が伊藤の心に影を落としている。 伊藤「ほんとにいつもそんな感じで。悪く言えば中途半端で、よく言えば平均を取れる。今日はいい感じでポイントでうまくいったけど、ここにきて平均なのかという悔しさはちょっとあります」 とはいえ、優勝したのは伊藤だ。胸を張ればいい。優勝の記念撮影で隣にいたのは、SASUKEのレジェンド・山田勝己。自分の姿が全国ネットの人気番組に映る。人生は確変に突入した。 「自分が自分じゃない感じ」