<大阪セッション>TAD「R1TXLTD」大阪上陸/Qobuzイベント大盛況/クリプトンから“小型ボード”試作機
「第33回オーディオセッション in OSAKA」が11月30日(土)と12月1日(日)の2日間、大阪心斎橋にて開催された。ここでは新会場「TKPガーデンシティPREMIUM心斎橋」に出展していたメーカーを中心にレポートしよう。 エアータイト&TADは、昨年に引き続き合同ブースを展開。TADのフラグシップスピーカーのスペシャルモデル「TAD-R1TXLTD」が登場し、今回のショウのなかでも最大サイズのスピーカーで来場者の耳を楽しませていた。 エアータイトの時間には、三極管「211」を使ったモノラル・パワーアンプのフラグシップモデル「ATM-3211」を組み合わせ、レコード再生を中心にデモ。超大型のスピーカーを確実にグリップし、切れ味良くタイトなリズムを刻むさまは感嘆のひとこと。静謐なバッハのレコードからバリバリのハードロックまで、ジャンルを問わず鳴らし切るアンプの懐の広さにも改めて感動。 TADの時間では、13年ぶりにリファインされたフラグシップ・プリアンプ「TAD-C700」が大注目。13年間に培われたTADの音質技術、内部構造や電源の強化などが盛り込まれた今年注目の新製品である。オーディオ銘機賞にて「特別大賞」を受賞しており、高解像度かつ透明度の高いサウンドには、リスナーも大きく納得の表情を見せていた。 ヤマハは、今年発売されたブックシェルフスピーカー「NS-800A」「NS-600A」を中心に、アナログからCD、そして今秋スタートしたQobuzも含め幅広く再生を行なっていた。ヤマハのネットワークソリューション「MusicCast」も日本でもQobuzがスタートしたことにより正式正式対応、同社のアプリからQobuzがそのまま再生できるようになった。 ブックシェルフ2モデルもコンスタントに売上を伸ばしているとのことで、特に広がり感の豊かな「800」の健闘が光るという。同社のステレオAVレシーバー「R-N2000A」をテレビと組み合わせることで、Netflixなどの動画配信も高いクオリティで楽しめる。音の入り口から出口まで、すべて自社ブランドで統一できるのはヤマハならではの大きな強みでもある。 エミライは評論家の土方久明氏を招聘し、Qobuzの楽しみ方をさまざまに提案する。同社はaurenderというハイエンドのネットワークブランドと、1万円台からラインナップを持つWiiMの2ブランドを擁しており、ストリーミング再生のポテンシャルの広がりを多角的に展開する。 スピーカーにはラトビアのブランドであるアレタイの「Contra 100S」を組み合わせ。先日掲載した同社CEO・ヤニス氏のインタビューでも記者が感じたことだが、非常に理論的強度の高い製品開発を特徴とするブランドで、音楽をストレートに身体に届けてくれる。土方氏が再生する最新のジャズとの相性も抜群で、解像度の高い録音の旨みをしっかり聴かせてくれた。 ネットワークジャパンとクリプトンも合同ブースを展開。クリプトンは、デスクトップのアクティブスピーカーなどに活用できる“小型ボード”と“小型スピーカースタンド”を参考出品。「KSシリーズ」などと組み合わせて使用するとちょうど良いサイズで、上位モデル同様、内部に「鉄球」が封入されているという。担当者も「アクセサリーの入門」として訴求していきたいと考えていると力を込める。 ネットワークジャパンは、クアドラルのスピーカー「AURUM VULKAN 9」をメインに、「アニソン&ゲームミュージックタイム」や「寝落ち歓迎!癒しの音楽」など独自色豊かなデモンストレーションを展開する。またサウンドマジックからガラス製の新しいラックも近日発売予定とのこと。ひとつは湾曲したデザインが特徴的なモデル、もう一つはパスやマッキントッシュなどの奥行きの長いアンプも設置できるラックとなっている。
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈