旗手怜央が掲げた新シーズンの目標「デ・ブライネやギュンドアンのような決定的な仕事ができる選手へ」
【学びや発見が多かった昨シーズン】 前述したとおり、昨季はケガを繰り返したこともあり、リーグ戦16試合に出場して3得点という結果に終わった。リーグとカップ戦の2冠に貢献できたとはいえ、個人的にこだわっていた結果=数字を残すことはできなかった。 ただし、シーズン終盤にピッチへ戻ってきてからは、自分がインサイドハーフでプレーすることでチームに流動性を生み出し、チャンスの量や数を増やせたのではないか。数字には残らなかったが、そうしたチームへの貢献が、結果的に逆転でのリーグ優勝にもつながったと思っている。 また、昨季のセルティックはアンジェ・ポステコグルー監督からブレンダン・ロジャーズ監督に代わって、初めて迎えたシーズンでもあった。目指すサッカーや戦術も変化したなかで、起用してもらえたことは選手としての自信になった。 特に、ロジャーズ監督になって変わったのは守備だった。プレスの掛け方や相手の追い込み方には、これまでとは違いがあり、個人的に学びや発見も多かった。また、インサイドハーフは攻守における走力も求められたため、運動量や動く範囲も意識するようになった。 また、ロジャーズ監督からはボールを大事するようにと言われていた。以前は、大袈裟に言えば、五分五分の確率のパスやイチかバチかのパスでも、決定機につながる可能性があるならば強気な選択をすることもあった。しかし、昨季はより確実に、より正確なプレーを心がけるようになった。自分が出した先の相手が危険な状況に陥りそうな時には、無理をしてそこを狙うのではなく、確実にキープできる味方を探すように意識した。 そうやって監督のニーズに応えて、プレーを変えていく作業や行為は、自分の選択肢を増やし、可能性を広げてくれたとも思っている。そこに取り組んだ結果が、ケガを繰り返しながらも、戦列に復帰した際には必ず試合に起用してくれる信頼へとつながり、ピッチで存在価値を証明する結果にもつながった。