「ユニクロじゃないみたい」いつもの服が自分だけの一着に。世界で広がるリペアムーブメント
「もっとこうしたい!」とアイデアが湧いてくる
そして、2人は実際にリメイク体験をすることに。チャコペンで各々好きな絵を描き、それを元に森川氏の監修によってロープが施されると、ベーシックなジャンパーとデニムジャケットは全く新しい表情を見せた。 「リメイクというより、もともとこういうデザインの服があるみたいですね。素敵です」(鏡氏) 「想いを込めて絵を描いたので、服が自分を守ってくれている気がします。もっとこうしたい!というアイデアが湧いてきます」(堀田氏) ユニクロのサステナビリティ領域を長年担当してきたシェルバ英子氏によると、1人が1着の服を1年間着ることで、日本全体で4万トンほどの廃棄削減につながるという。
リペアカルチャーを広めるには、どうすれば?
日本でリペア・リメイク文化がそれほど浸透していないのは、リペアはみすぼらしいという意識や、日本人には物を大切に扱う意識が根付いており、服が破れたり汚れたりする率が低いからという説もある。 対して欧州では、試着時の汚れなどで新品なのに販売できない商品が多く発生することからリペアの必要性が高く、リペア・リメイク文化の発展につながった背景もあるようだ。 では日本でリペア・リメイク文化を広めてムーブメントをつくるには、どうしたら良いだろうか。 「リペア・リメイクされた服が“ちゃんとかわいい”ことも重要だと思います。そうすれば、着たいという気持ちが自然と生まれますから。 また、現在廃棄されている洋服の量や、裏側で起きている事実について調べてみると、一人ひとりの意識も変わってくるのではないでしょうか」(堀田氏) 「これまで、服をリペア・リメイクしてかわいく着こなすという認識を持っていなかったので、こういうことを発信する機会がもっとあったらいいですね。ユニクロだけでなくいろんなブランドが廃棄を減らす動きをしてくれたらと思います」(鏡氏) (文・河辺さや香、編集・中島日和)
河辺さや香