「ユニクロじゃないみたい」いつもの服が自分だけの一着に。世界で広がるリペアムーブメント
日本の伝統技術を生かした服のリメイクとは?
「RE.UNIQLO STUDIO」が生まれたのは、ドイツのユニクロ店舗で服のアップサイクルに関するワークショップを行ったことが発端だ。その後世界各地に広がり、2022年9月にロンドンリージェントストリート店に初めて「RE.UNIQLO STUDIO」が設置された。 リペアの方法として、刺し子や刺繍など日本の伝統技術が取り入れられていることでも注目を集めているが、欧米の「RE.UNIQLO STUDIO」のリメイク技法を監修しているのが、ロンドンで縫製や型紙制作を行うアトリエを運営する森川真彦氏だ。 「服のキズをただ“隠す”のではなく、インディゴのパッチや生成りの糸などを使って、修繕をデザインに見せるようにしています。 日本の刺し子は、イギリスのテレビ番組内で紹介されたことで広く認知されました。ヨーロッパならではのスタイルに発展して、盛り上がりを見せていますね」(森川氏)
「温かみがあって、気持ちが伝わる服」
今回のイベントには、堀田・鏡両氏が実際に森川氏の監修によってリメイクされた服を着て登壇した。 「ニットの3色の色合いがとても素敵! 人が作った温かみがあって、着ているだけで(作り手の)気持ちが伝わってくるように感じます」(堀田氏) 「ジーンズの刺繍や、ニットに施してある糸のグラデーションが本当にかわいいです」(鏡氏) と、興奮を隠しきれない様子でリメイク服への感想を述べる両氏。 森川氏によると、ダメージがある服の点と点を繋げてラインを作ったり、汚れをあえて完全に隠さず別のパッチを付けたりしているという。 堀田氏はもともと古着が好きで、とりわけリメイクされた服には愛着を感じると話す。また母がユニクロで働いているという鏡氏は、同社の回収ボックスのことを昔から知っていて、リサイクルの重要性を理解していた。 しかし、服をリペア・リメイクして長く着続けるという考え方が日本ではあまり浸透していないこともあり、今回の衣装にはとても新鮮な印象を抱いたようだ。